酒の危機感 ページ48
「相変わらずだな」
顔色ひとつ変えずにマティーニの飲んだ後スカイダイ・ビングを注文したAちゃんはナイトを撫でた
にしても悠さんすごいな…女性って言われたのに、男性と話してる気分になる。彼女がライバル視してたって言うから予想はしてたけど、本当に凄い女優さんだ
『酔い潰れは人生であの1度きりだからね』
「は？あのユズが酔い潰れ？なんの間違いだ」
『ちょっと悠君あのユズって何よw』
「お前、体調不良のママに絡んだ酔っ払吹っ掛けた酒呑み勝負に店にあった1番度数高ぇ酒を一気飲みして負かしたろ」
「…Aちゃん、それバイト時代にもやってたんだ」
「他でもやったんか」
「え、何年か前に△△公園で花見した時に酔っ払いに絡まれてやってました」
「聞いた事あるわ…白い犬連れた小柄な女ってお前かよ」
初対面だったあの日、挨拶した時は可愛い子だと思ったのにあの瞬間凄くカッコよかったのを覚えてる
Aちゃんが言った酔い潰れは、多分あの時聞いた大学の同窓会で出されたって言うスポドリ割り。最低の下心の元に出されたそれを呑んだ彼女は初めて酔って、たまたま隣で呑んでた江口さんと梅さんと宏ちゃんが回収したってやつだ。あの後宏ちゃんに聞いた話だと文字通り泥酔だったらしく、3人で朝まで介抱したそうだ
「そんなお前が酔うなんて有り得ないだろ」
『大学の同窓会でね。出されたのがスポドリ割りだったの』
お茶だったの、みたいな軽い感じで言いながらカクテルグラスに入った真っ青なお酒を呑む彼女は本当に強すぎてお酒に関しての危機感がない
「は？あんた何平然と言ってんの」
さっきまで男性のようだった悠さんが女性として…多分、素で怒ってる
『別に帰りはたまたま隣で呑んでた仕事の先輩と同期達が付き添ってくれてそのまま介抱してくれたから大丈夫だよ。あと、悠君素が出てる』
「うるさいっ。あのねぇ、あんた強すぎてそう言う危機感皆無だけど…そう言うの出す時は大抵最低な下心があるの。その先輩達居なかったら、あんたどうなってたか…」
『なんにもないでしょ。ただのお巫山戯だよ』
「向こうはお巫山戯じゃなかったみたいだよ」
『え？』
「それ花見の時言ってたじゃん？あの後Aちゃんがお酒買い足しに行った時梅さん言ってたよ。「もう少しでヤれたのに」って呟いてたって」
「…ほら。昔からあんたは本当に危機感無さすぎ。酒に強いのはいいけど、出されたのホイホイ呑まないの」
『危機感ねぇ…』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 19人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：福招猫 | 作成日時：2021年9月20日 23時
