9Ｐ〔ナインピース〕に！ (ページ50)

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番外編下野さんと鈴木さんとページ50

『ドッキリの中やったけど…淳弥君に「…僕が9P辞めたい、言うたらどげんする？」って聞いてみたんです…』
笑多がメンバーの足を引っ張ってるから辞めたいと言い出した事を禎丞から聞いた数ヶ月後。明日9Pの撮影で居酒屋行くから、前日にしこたま呑んで翌日泣かないようにしたいと言われ笑多の部屋で下野さんと3人呑み会になった
禎丞が直接メンバーに相談してみろって言ったらしい
「なんて言われた？」
笑多はグイッと紹興酒を煽ってから小さく深呼吸して小さく笑う
『「わらた君が抜けたら、絶対寂しいし泣くと思う。皆も、俺も…わらた君自身も」って。僕が居らんでも問題なく8Pとして続くって思っとりました…』
コイツの口癖《自分が居なくても世界は問題なく回る》お前を知る人間からしたら問題なくないけど、自己評価低いからそんな事気が付かない
『その後すぐネタばらししたから皆僕がドッキリの演技したっち思っちょると思います。専務以外は』
専務…髙坂篤志。笑多がアニメデビューした時、俺が出てたアニメで笑多と同じように当時まだ新人で笑多と歳が1番近くて、今は居ねぇ先輩声優に色々言われてた笑多を気にかけてくれてよく声を掛けて仲良くしてくれてたのを見た。あの共演以来割と交流が続いてたらしい
「本心だって見抜かれた？」
『はい…付き合い長いから、僕が演じてるかどうかくらい分かるって言われました』
本人は意識してないけど気を許せばボロボロと出る方言。仲良くならないとコイツの敬語は出ないから、知らない奴は気が付かない
『まだ辞めたいのか聞かれて、正直分からんけど…僕が居らんでも8Pとして問題なく続くと思うって答えたんです…』
「分からないって事は、揺れたんだ？」
『…皆を泣かせるのは嫌やなって』
「そしたらなんて？」
『「続かんよ」って。「9Pは9人や。パズルのピースは1つでも無くなったら完成出来ひん物やで」って言ってくれはりました』
ボロボロと泣きながら笑う笑多は実に嬉しそうで。9Pの話が来て迷ってたコイツの背中を押したのはやっぱり間違いじゃなかった
『「迷惑掛けへん人間なんかどこにも居らん。それにあれくらい迷惑にならん。なぁ笑多君自分が9Pでどれだけ笑ってる分かってる？こんなに笑ってる笑多君は他で見られへんよ」って…』
「よく見てくれてるじゃん」
『9Pに居ていいのか、聞いたら当たり前やって言うてくれました』
あの憂いは亡くなったらしい、9Pのおかげで笑多は精神的に成長した。メンバーには感謝しかない