第37話：突然の闇 ページ39
「お帰り、随分と沢山拾えたな。…お、制服の着こなしが変わってる。ヴィルか？よく似合ってるよ」
『惚れさせにきてる？？好きです』
「しっかりしてくれ頼むから」
拾った栗を持ってトレイ先輩の元へと訪れれば、既に彼はリドル寮長へと渡すマロンタルトを作る準備を着々と始めていたらしく。
食堂の厨房という場所が場所なだけに、エプロンを着て此方を振り返る彼はもうママにしか見えなかった。エプロン似合いすぎかよトレイママ。
「じゃ、早速始めようか。お前達は栗を剥いてくれ」
『げげ…』
目の前に積まれた栗の山を見て、げっそりとやる気が削がれるが…何事も始まらなければ終わりは無いのだ。
…ｯしゃ、頑張るしかない！
＿＿
＿
「…しまった、生クリームが足りないな…」
ポツリとそうトレイ先輩が呟いたのは、栗剥きが終わって割とすぐの事だった。
どうやら材料に欠けがあったらしい。そんな彼の困った顔を見て真っ先に「じゃあ、僕買ってきますよ」と名乗りを上げたのはデュースだった。
「そうだな、でも他の買出しも頼みたいから…」
『あ、私も行きますよ』
「おっ、そうか！じゃあ頼まれてくれるか？」
ニコリと素敵な笑みを浮かべるトレイ先輩の為なら、例え火の中水の中。
こくりと一つ頷き、デュースと共に購買部へと向かう。オレ様も行くんだゾ！と飛び付いてきたグリムも(仕方なく)連れて。
＿＿
＿
「結構重かったな…、A、そっちの缶詰の袋は僕が持とう。コツがあるんだ」
『え、コツとかあんの？』
「初耳なんだゾ」
＿購買部からの帰り道。
トレイ先輩から頼まれた買い物は思った以上に荷物が多く、二人居ても両手が塞がってしまう程だった。
しかし重い方はデュースが持ってくれている為、言う程大変ではないのだが…。
袋を持つ彼の手は、当たり前だが私の手よりも一回り以上も大きくて。
やはり彼も男の子なんだなあ、と。
『デュースってお母さんの手伝いめっちゃしてそう。コツとか取得しちゃってるし…親孝行じゃん。息子最高かよ…』
「…いや、全然そんな事はない。俺は、母さんを…」
『…エ』
突然の闇じゃんタンマ。
何？俺は？母さんを？え、何！？怖、怖い何それ続きが怖くて聞けないんだが！？
まさか殺っ
ﾄﾞﾝｯ。
＿ｸﾞｼｬｯ！
『アｯｯ』
突然、視界に何かが飛び込んできた。
…あまりにも急過ぎだったのだ、止まりきれなかった私達は無論激突してしまう訳で。
…地面に落ちた袋から、嫌な音がした。
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月次 - あ、画力をですね、すみません、主語抜けちゃってました！ (2021年7月18日 15時) (
レス) id: 34cc41e784 (このIDを非表示/違反報告)
月次 - 絵、上手いですね！俺にも分けていただけませんか？ (2021年7月18日 15時) (レス) id: 34cc41e784 (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - しろぎつねさん» ご指摘ありがとうございます！！！完全に丸の位置反対になってますね！！申し訳ないです！！！読んでくださってありがとうございます！！！！監督生ちゃん気に入ってもらえて良かったです！！！ (2021年4月19日 17時) (レス) id: a7b2172907 (このIDを非表示/違反報告)
しろぎつね(プロフ) - 夢主ちゃんの豪快だけどビビリな性格が可愛くて好きです！面白い小説のご投稿ありがとうございます！ ところで50話の「諦めたら試合終了ですよ」のくだり西●先生ではなく安●先生では無いですか？もしわざとでしたら申し訳ありません^^; (2021年4月15日 0時) (レス) id: 46c2545315 (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - そこら辺の水道水さん» そんなに推してもらえてほんとに嬉しいですw書いてて良かったー！と思えますねー！！！いつもありがとう！！！もっと輝けるように頑張りたい！！！！頑張りマッスル！！！！ (2021年3月1日 0時) (レス) id: a7b2172907 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまいろ
| 作成日時：2021年1月19日 0時
