第10話：ハートのエース ページ12
＿突然増えたもうひとつの声。
まさか、もう私達を消しに来たのか！？と、勢い良く振り返った先、左目の目尻にハートのペイントをした青年がすぐ後ろに立っていた。
…制服を着ている様子からするに、此処の生徒なのだろう。
「ハートの女王？偉い人なのか？」
「昔、薔薇の迷宮に住んでた女王だよ 」
どこか人懐っこそうな笑みを浮かべた彼は、冷や汗をダラダラと流す私に気付いていないのか否か、石像を見上げながらハートの女王の説明をし始める。
＿何においても規律の乱れを一切許さない、絶対王政を重んじる女王で、規律違反を犯せば、誰であろうと即打ち首＿。
いや怖ｯ。怖過ぎだろ。
彼のさながらガイドのような分かりやすい説明に、私のみならず、グリムも毛を逆立てながら震え上がっていた。
「こ、こえーんだゾ」
「クールじゃん！俺は好き。だって優しいだけの女王なんて誰も従わないだろ？な！」
『へ、あ、おおう！…ｿｳﾀﾞｽﾈ…』
「何だよーそんなに硬くなるなってー！俺はエース！今日からピカピカの一年生。どーぞヨロシク♪」
ガシｯと両手を掴み、一気に距離を詰めてきたエースに、思わず少し仰け反る。
流石某D社関連…やはり、日本とは少し文化が違うのだろうか。いきなり距離感バグり過ぎだろ。
…まあ？顔が良いから許すけど。(チョロい)
「んで？アンタは？」
『あー…A夏目です。どーも』
「オレ様はグリム！大魔法士になる予定の天才なんだゾ！因みに、Aはオレ様の子分だ！」
『ちげえし』
「A？珍しい響きの名前だな…てか、アンタめっちゃ可愛いね！彼氏とか居る？俺とかどーよ！」
『チャラいな…』
「聞こえてるから」
ちぇ、つれねーの、なんて口を尖らせる彼はやはり顔が良い。
しかも話した感じ、想像通り人懐っこいタイプ。
こいつァ絶対世渡り上手に違いないぜ…グリムに残りの石像の説明をしてやってる彼を見て、確信する。
異世界と言えど、友達は作っておいて損はないだろうし？こういう人脈の広そうなタイプは、もしかしたら何かあった時の助けになるかもしれない。
これは初っ端から大収穫なのでは？
よっしゃ、友達一号ゲットだぜ！…なーんて思ったのだけれども。そんな喜びも次の瞬間、盛大に裏切られる事となった。
「クールだよな〜…どっかの狸とは違って」
「ふな゛ｯ！？」
「プｯ…あははっ！もう堪えるの無理！あははは！」
突然、腹を抱えて笑い出したエース。
…どうやら、こっちが彼の本性らしい。
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月次 - あ、画力をですね、すみません、主語抜けちゃってました！ (2021年7月18日 15時) (
レス) id: 34cc41e784 (このIDを非表示/違反報告)
月次 - 絵、上手いですね！俺にも分けていただけませんか？ (2021年7月18日 15時) (レス) id: 34cc41e784 (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - しろぎつねさん» ご指摘ありがとうございます！！！完全に丸の位置反対になってますね！！申し訳ないです！！！読んでくださってありがとうございます！！！！監督生ちゃん気に入ってもらえて良かったです！！！ (2021年4月19日 17時) (レス) id: a7b2172907 (このIDを非表示/違反報告)
しろぎつね(プロフ) - 夢主ちゃんの豪快だけどビビリな性格が可愛くて好きです！面白い小説のご投稿ありがとうございます！ ところで50話の「諦めたら試合終了ですよ」のくだり西●先生ではなく安●先生では無いですか？もしわざとでしたら申し訳ありません^^; (2021年4月15日 0時) (レス) id: 46c2545315 (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - そこら辺の水道水さん» そんなに推してもらえてほんとに嬉しいですw書いてて良かったー！と思えますねー！！！いつもありがとう！！！もっと輝けるように頑張りたい！！！！頑張りマッスル！！！！ (2021年3月1日 0時) (レス) id: a7b2172907 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまいろ
| 作成日時：2021年1月19日 0時
