シンデレラボーイの彼女。

15.酔っ払い ページ16

今日は全日本の飲み会。

(おっそいなぁ…)

時刻は1時半、晶大がこんなにも遅くなるなんて…

ガチャ

(あ、やっと帰ってきた…)

「おかえ…ってええ、できたさん。」

「ごめん、山内に飲ませすぎた。」

できたさんの背中には眠る晶大が…

「どんだけ飲ませたんですか…

「責任持ってベッドに寝かせるから許して笑」

「はぁ…」

「んじゃな！山内によろしくな！」

そう言ってドタバタ帰って行ったできたさん。

とりあえず水の入ったコップを持って寝室へ。

「晶、起きて水飲んでー」

「ん…」

すんなり起きて座ってお水を飲んでいる晶大。

(かわいい…)

綺麗に飲み終わったコップを受け取ると

「…あい？」

名前を呼ばれた。

(え、今まで誰だと思ってたの)

「んー、どーしたのー」

ベッドのそばに腰掛ける。

ぎゅっ

晶大が抱きしめてきて

「好き」

こんなに率直に伝えられることほんとに久しぶりだったから私の顔が赤くなる。

「どしたの〜」

「好き」

「なんかあったの？」

「好き」

(この人好きしか言わないな。)

「うん、好きなのはわかったからとりあえず寝よっか？」

腕を引っ張られベットに引きずり込まれる。

上に乗っかられ、きつく抱きしめられる。

(上に乗っかられると重いって…)

いくら細いとはいえプロのバレーボール選手。

(普段どれだけ加減してもらってるかがわかるなぁ…)

「ねぇ、あいは好きじゃないの、俺のこと」

しばらく経って晶大がこんなことを言った。

(ええ？今それ聞くの…)

「んー？ちゃんと好きだよー」

「関田よりも？」

「なんで関田くん。笑」

「仲良いから。LINEしてんじゃん。」

「関田くん彼女いんじゃん。笑」

「彼女いてもあいが好きにならないとは限らないじゃん。」

私の首に顔をうずめながら呟く。

(なんじゃこの可愛い嫉妬は…さては今日なんかあったな。)

「関田くんよりなにより1番に晶大が好き。」

「ほんとに？」

「ほんとに。」

普段とは違う晶大の姿に思わず笑みがこぼれてしまう。

「なに笑ってんの。」

私が笑っていることに気づいた晶大がほっぺたを引っ張ってきた。

「いひゃい、いひゃい。ごめんなしゃい。」

「ブサイク…」

「晶大がブサイクにしてるんでしょー」

「そんなブサイクでも好きだけどね。」

そう言って妖しく笑った酔っ払い晶大さんでした。笑

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