【ホラー】この館から脱出することは不可能です。

７部屋目 ページ8

〜恐怖の館・寝室〜

部屋は二つもらえることになっていて、亜未と紗里、真矢とクレアで別れることになった。

亜未と紗里は部屋に入った途端ゴロンっとベッドに寝転ぶ。

「はぁ〜っしんどぉー！！」

紗里が大声で文句を放つ。

亜未はそれをどこかでAは聞いてはいないかと不安でしーっと口に指を当てる。

「大丈夫、大丈夫〜誰も聞いてないってぇー」

こんな状況でもケラケラと笑う紗里。

「んでさ、亜未」

と思ったら急に真面目な顔になって起き上がる。

「うちさ、ここから脱出しようかなって思うんだよねぇ〜」

「えぇ！！？？」

今度は紗里が口に指を当てた。

「大丈夫！出口見つけたら迎えに来るし、さ」

そう言って紗里は外を確認すると部屋を出て行った。

〜恐怖の館・階段〜

静まった館内にコツン…コツン…という紗里の足音が響く。

やっぱり不気味だな、なんて思いながら階段を下りていく。

「言ったじゃない、この館からは逃げられないって」

階段にAの声とパチンという乾いた指を鳴らす音がする。

紗里はそれに不信感を抱いただけでそこまで気に留めなかった。

コツン…コツン…

「ここって、こんなに長かったっけ…」

また階段を下りていく。しかしいくら降りても降りても下の階にたどり着かない。

「い、いや…いや！！」

カンカンカンッと階段を駆け下りても結果は同じだった。

「ほらね、私から逃げようとするから悪いんだよ？」

その後、紗里が亜未の部屋に戻ることはなかった。

８部屋目→←６部屋目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す