【ホラー】この館から脱出することは不可能です。

６部屋目 ページ7

このゲームをクリアするしかないと理解した私たちは手をつないで、

ゆっくりと火の中を進んでいった。

「熱…」

紗里が額の汗を空いたほうの手で拭う。

確かにこの火は熱いだけで特に私たちに攻撃をしてこないみたいだった。

「ね？言ったでしょ？でもね、それだけじゃゲームにならないから♪」

パチンッとどこからかAが指を鳴らす音が聞こえる。

その瞬間。

天井から人形が落ちてくる。

ひもで吊られた凶器を持った人形が四人に向かって襲ってくる。

「「いやぁぁぁ！！！！」」

紗里と亜未が叫んで、クレアと真矢も引っ張っていく。

ただひたすらに長い部屋を走り抜けて行く。

人形は次々に私たちに向かって襲ってくる。

「もう…いや…っ」

しばらく走っていると一つの扉が見えた。

紗里がその扉に向かって手を伸ばす。

バタンッと思い切り扉を開けると、外に出た。

「ハァ…ハァ…」

「大丈夫…？紗里…」

「亜未こそ…」

扉を閉めてしばらくうずくまる。

ずっと走っていたせいか、立つことさえままならない。

ふと顔を上げると、真矢が足をけがしていることが分かった。

人形の凶器にやられたのだろう。

「…っ」

こんな時でも、真矢に声をかけられない自分に少し腹が立つ。

「はい、ゲームクリアおめでとーっ」

満面の笑みで部屋から出てくるA。

「じゃあ、今日みんなが泊まる部屋に案内するね」

私たちは歩いていくAの少し後に続いた。

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