【ホラー】この館から脱出することは不可能です。

１４部屋目 ページ15

〜教室〜

亜未と真矢がフッと意識を取り戻すと、そこは三日前にいた教室。

おしゃべりが止まない昼休み。

違うのは、クレア、紗里、唯香がいないこと。

亜未はきょろきょろとあたりを見回す。

そこには焦って亜未と同じようにあわてている真矢。

亜未はタタッと真矢に駆け寄る。

「紗里たちは…」

「いないんだ…」

今まであったはずの席は跡形もなく消え、教室の端に書いてあった三人の名前も

体育大会の時に撮った写真の中に写っていたはずの三人の姿もなかった。

紗里と唯香のことを苦手だと思っていたのに、こんな状況になるとさみしいと、亜未の瞳から

涙がこぼれた。

「…亜未」

真矢が不安そうに亜未の頭を撫でる。

残酷な『ゲーム』が二人から大切なものを奪った。

真矢からは何を奪ったかって？

〜恐怖の館・大広間〜

「…感情」

水晶を見つめながらニヤリと笑うA。

「最大の恐怖によって消えた感情。傑作〜っ」

ケラケラっと無邪気に笑う。

「この二人、クリアしちゃってつまんないと思ってたのにぃ〜！！あははっ」

狂ったように笑い続けるA。

「は〜ぁ。次のターゲットは…誰かな」

Aはふぅ、と息をつくと、また水晶を手のひらでもてあそび始めた。

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