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宿儺が喘息持ちだったら/ねこまる様リク # ページ30

低い、獣の唸り声のような、ため息が聞こえた。縁側二人並んで座り、各々書物をめくっていた時のこと。少し前まで日が出て、暖かい光に包まれていた縁側も、今は雲が出てきて日を遮ったせいで少し肌寒い。

ちらりと書物から顔を上げ隣を盗み見ると、宿儺は口元に手をやり、けほ、と小さく咳き込んだ。顔色があまり良くない。さっきから息を整えるように深く呼吸する仕草が伺えていたが、読書の邪魔になりたくなくて無視していた。

ビュウウウ、と冷たい風が山から吹き降りてくる。これは良くない。

中に入ろう、と言いかけた時、パタンと音がして宿儺が書物を閉じた。胸を押さえて体を軽く折り、息を吐く。同時に、ひゅう、と笛のような音。喘鳴まで出てきたか、と焦る私に彼は、案ずるな、低い声で漏らした。そのまま立ち上がり、くるりと踵を返して奥の部屋へと歩いて行ってしまう。私は彼の残した書物と自分の分をまとめて置き、縁側の戸を閉める。風に吹かれて、ガタガタガタ、と立て付けの悪い硝子戸が音を立てた。

『宿儺…?』

奥の部屋は宿儺の書斎だ。普段私は入る事を禁じられている。締まりきっていないドアから中を伺うと、彼はいつものように作業机の重厚な椅子に座ってはいなかった。客と対談するときに使うローテーブルの前に座り込んで、その上に腕を組み、突っ伏している。肩を上下させ息を吐くと、ぜぇ、と酷い呼吸音が聞こえた。

実は、宿儺がこんな状態になっているのを見るのは初めてではない。季節の変わり目だとか、寒く乾燥した冬の日の朝方なんかに、一人で息を押し止めているのを私は知っていた。治まった後に聞くと、何ともない、とケロリとした表情で言う。そもそも彼は、普段は最強なのだ。並の人間なら指一本で捻り潰してしまう。私なんぞに心配されるなど、彼の矜恃に関わる。そう思って今までは、見かけても触れる事はしなかった。が、主人が苦しんでいるのに平気でいられる私ではない。何もせずに、あとでもどかしい思いをするのはもう散々だ。

ギィ、と扉を押し開けて、中に踏み込む。彼は鋭い目で、こちらを肩越しに睨んだ。息は荒く、乱れている。


「出て、いけ」

構うな、と彼は絞り出すように言い、咳き込んだ。雑音混じりの酷いそれに私は顔を顰める。









続きます

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絵、描けない人 - キャラクターみんなかわいかったです! それに、絵も上手いなんて…神ですか? (7月26日 20時) (レス) @page33 id: e5e8ab6d4a (このIDを非表示/違反報告)
るきー流季ー - 絵上手すぎません!?尊敬します・・・!リクで、夢主がスパイで夏油がわだったらってのをお願いします! (2022年3月18日 12時) (レス) @page33 id: 17a7d13276 (このIDを非表示/違反報告)
金魚きんぎょ(プロフ) - リクエストです!キャラがヤンデレになったらお願いします!! (2021年1月11日 16時) (レス) id: c103e928da (このIDを非表示/違反報告)
ショゴマル(プロフ) - はじめまして!リクエスト失礼します…!喘息のシリーズで夢主が喘息持ちバージョンを見たいです! (2021年1月9日 22時) (レス) id: 173ce9f96c (このIDを非表示/違反報告)
あかり510 - すこですワァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (2021年1月3日 22時) (レス) id: 0ac20fdc52 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:京也 | 作成日時:2020年12月26日 4時

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