呪霊(花御)を式神にしてみた/Ω様リク # ページ24
※あまり指定が無かったので、自由な感じで書きました。
※夢主は高専襲撃の後で花御を使役しています。
『花御!』
私は大きな木の影の向こうに座る、新入りの式神に声をかけた。彼は本当に体が大きいので、どこに居ても分かってしまう。しかも凄まじい呪力の量。
流石は特級と言われるだけあるなぁ、と考えながら、私は幹を回り込んで彼を見上げた。
『はーなみ、何してんの。木に紛れて隠れんぼか?』
「(…そんな訳ないでしょう。)」
『そっかー。』
未だにこの感覚には慣れない。花御の言葉は分からないのに意味は通じるのだ。なんとも言えぬ、不思議な感覚。
私は胡座をかく彼の膝の上に腰掛けた。丁度いい椅子だ。安定も良い。
「(あなたは私が怖くないのですか。)」
『なんで?』
「(私は星を守るために、あなた方を殺そうとしたのですよ?)」
『あー、まあ、怖かったさ。花御は強いしね。でももう、君は私の式神だよ。私の命令には逆らえないし、今は怖くはないかなぁ。』
花御はどちらかと言うと精霊に近い存在だと言う。それには私も同意だ。この星を守りたい、だなんて慈愛に満ちてるのか狂気なのか分かりゃしない。つまるところ、なんだか呪いらしくないのだ。
『元は敵でも、今は仲間でしょ?ね?』
「(…そうですね。)」
半ば強制のように言わせる。花御が、どう思っているのかは分からない。でも私の式神である以上は逆らえないから従う他ない。なんだか不憫になってくるなぁ、と私は彼の方を向いて、手を伸ばした。目の部分にある、2本の枝をそっと触る。嫌がるかと思ったが、何も言わないようだ。私はまだ彼のことを全く知らない。
『花御、花、出してよ。』
「(私の術を手品もどきだと思ってませんか、あなた。)」
『いいじゃんいいじゃん!減るもんじゃないし!』
駄々をこねると花御はしょうがないですね、と右手を振るい、一帯に色とりどりの植物と花を茂らせた。土であった地面が、呪いが産むとは思えない綺麗な眺めに様変わりする。
『わああああ!』
私はただ感嘆して、その場に勢いよくダイブした。土と草の匂いに包まれながら、地面に横たわる。ゆっくりと深呼吸をすると、えもいえぬ幸福感が漂うのを感じた。
『大地の有難みってやつだなぁ。』
「(…この星の人間がみな、あなたのような人であれば良かったのに。)」
ああ、と思った。彼は切実に、この星の大地を守りたいと思っているのだ。人とは相容れない方法なのが、至極残念なくらいには。
続きます
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絵、描けない人 - キャラクターみんなかわいかったです! それに、絵も上手いなんて…神ですか? (7月26日 20時) (レス) @page33 id: e5e8ab6d4a (このIDを非表示/違反報告)
るきー流季ー - 絵上手すぎません!?尊敬します・・・!リクで、夢主がスパイで夏油がわだったらってのをお願いします! (2022年3月18日 12時) (レス) @page33 id: 17a7d13276 (このIDを非表示/違反報告)
金魚きんぎょ(プロフ) - リクエストです!キャラがヤンデレになったらお願いします!! (2021年1月11日 16時) (レス) id: c103e928da (このIDを非表示/違反報告)
ショゴマル(プロフ) - はじめまして!リクエスト失礼します…!喘息のシリーズで夢主が喘息持ちバージョンを見たいです! (2021年1月9日 22時) (レス) id: 173ce9f96c (このIDを非表示/違反報告)
あかり510 - すこですワァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (2021年1月3日 22時) (レス) id: 0ac20fdc52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:京也 | 作成日時:2020年12月26日 4時