【文スト】転生したら横浜市民になってしまった (ページ3)

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きっと見下ろすのが似合うと思うよページ3

ポートマフィアの入口に意味も無く立っていると、二人の影が見えた。

なんだなんだ、仲良くご帰還か？誰だよ全く。

「お？おお？…あれれ、ひぐっちゃんにやつがれちゃんじゃん」

しかめっ面代表の芥川くんと、芥川くんの数歩後ろを歩く金髪美少女な樋口ちゃん。

そういや誰か言ってた気がする。なんだっけ、虎の捕獲？

「何何？君たち仲良しかよ、お疲れさん」

「あ！お疲れ様ですAさん！」

私を見るとぱっと笑顔になったひぐっちゃん。なんだよ可愛いな。
それに比べてやつがれちゃん、なんだその顔。眉間に凄い皺寄ってる。そんなに私が嫌いか？(嫌いと言われたことは無いけどね！)

「挨拶くらいしてくれよ。私の方が先輩でしょ？」

「貴様の方が歳下だろう。敬いたいとも思わん」

「酷いな君」

彼が敬ってくれないのは私の性格のせいだろうなぁ。

芥川くんの方が背が高いので、私を見下ろす状態になっている。

うーん。似合ってる。なんだよ君、見下ろす姿が妙に様になってるじゃんか。イケメンはなんでも似合うってか？けっ。

内心で悪態を付いていると、目に入った樋口ちゃんの頬。

「……ひぐっちゃん。右頬、ちょっと赤くない？」

「え？赤いですか？」

言葉を聞き返した樋口ちゃんの手を控えめに引いた。細くて綺麗なその手を、両手でそっと握る。

「ダメだよ。女の子なんだから」

手当てしよ。
そう言って、手を引いたままビルの中に入った。そのまま数歩歩いて、止まる。

あぁ世話の焼ける。
どうせ、彼は軽傷じゃあ自分から医務室なんて行かないんだろ？
でも、可愛い後輩は心配になっちゃうんだよ。

ねえ、やつがれちゃん。

「ほら、君も行くよ」