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「監督生ちゃんがそこまで言うなら……」
「……そうだね。Aの口添えが無くとも、あちらの協力は望めるだろう」
ケイトとリドルは目を合わせ同じ結論に至った様だった。頷いた彼等を見、ユウは安堵の表情を見せる
「まーたしかに、何かあったら危ないしな」
「不測の事態に対応出来ないような中途半端な糾弾なんてするつもりはないよ」
「アッハイ」
先輩二人に軽い調子で便乗したエースはリドルに鋭い言葉を向けられて黙り込んだ
我が寮長のルール違反者への糾弾はいつだって情けも容赦も無用であったなと寮での彼を思い出して肩が強ばる。隣のデュースもピッと背筋を伸ばしていた
マシになったとはいえ、まだまだ厳格であるのに変わりない。そして自分たちはつい先程、校則違反である「私闘」をしたばかりであった
このまま大人しく黙っていれば、首をはねられずに済まないだろうか？
とエースはぼんやり考えつつ、横目でユウを見遣る
彼は先程までの思い詰めた表情とは違い、穏やかに口元を緩めている。完全に安堵一色だ
分からないな──と思う。ユウの考えもAのことも
ユウはAを好んでいるようにみえた。自分達へ向ける感情とは違うものを抱えていそうだった。それが恋情かと言われれば、傍から見てもそうではなさそうだけれど
それでも、Aだけに伝えぬような、そんなことはしないと確信すらもっていたのに
エースはユウを気に入っている。気に入っているから、行動を共にしている。マブダチと己で宣言するくらいには
デュースもリドルもトレイ達だって、彼を気に入っているのだろうと見れば何となくわかる。Aなんかは特にわかりやすくユウを好いている。けれど自分たちのそれと彼女のそれでは、確実になにかが違うだろうと思う
ベクトルと言うのが正しいのか、そんなものでは収まりきらぬ「なにか」の気もする
──わからない
ユウもAも互いを大事に思っているくせに、互いのことを話しはせず今回のように黙っていようとする。友としてエース達とは四六時中共にいるくせに、ユウもAも互いの時間を縛ってまで共にいようとはしない
二人は、互いに向ける感情の大きさと行動が一致していない
その差は何なのか。そうさせてしまうものは何なのか。
考えてみても、エースには分かり得なかった
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藤宮(プロフ) - 紅さん» ありがとうございます〜！この小説をどうぞよろしくお願いします！ (8月17日 23時) (
レス) id: 70681114dc (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (8月12日 0時) (レス) @page25 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - 晏昊さん» ありがとうございます。長らくお待たせしましたが亀更新で頑張ります〜！ (2023年3月6日 0時) (レス) @page21 id: 73feed36fe (このIDを非表示/違反報告)
晏昊 - 好きすぎて一気見しちゃいましたw続きがすごく気になります！頑張ってください！待ってま〜す!!! (2022年5月3日 1時) (レス) @page21 id: 92be24dccc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤宮 | 作成日時：2022年1月5日 2時
