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マレウスに言われた通りシルバーに付き添いを願えば、彼は当然と言いたげに快く了承した。本当にいいの？と眉を下げる彼女に深く頷き眦を緩める
「もちろんだ。むしろ、Aの護衛をマレウス様から仰せつかえるなど、光栄の限りだからな」
こちらを安心させるように微笑んだ彼の笑みの、その破壊力たるや。いつかのユウのように彼女は顔を手で覆った。眩しすぎて目が潰れると言っていた彼の気持ちがわかった気がする
「お前の道中のエスコートは任せてくれ。あまり慣れない任だが、不愉快な思いはさせないと誓う」
「うん。お願いします…」
消え入るような声で辛うじて返した彼女は、まるで姫にでもなった気分だった。いつも、姫役は眠りこけるシルバーであるというのに。いつの間に王子さまになったのやら
彼女は心拍数と呼吸、己の情緒を整えて階段を降りた。その先に見える見慣れた影に、どうやら見送ってくれるようだと足が早る。急ぐと危ないぞとシルバーにひと言戒められて、慌ててまた速度を落とした
＿＿そうして、寮の入口で、行ってきますと告げるAにマレウスは微笑みと頷きを返して、その奥ではセベクが少し拗ねたような表情で立っている。彼はどうやら連れていくなら己を連れて行ってほしいようだが、文句なら指示をしたマレウスさまにと彼女は見て見ぬふりをした
「Aや」
「はい」
軽い足取りでこちらへ来たリリアはふわりと浮いて、Aの頭を引き寄せるように軽く抱いた
「久しぶりなのじゃろう？楽しんでくるとよい」
その優しい声色で言葉を紡ぎ、彼女の柔い髪を撫でる傍らでシルバーに視線を送る。それを受け取ったシルバーは深く頷いた。Aのことはお任せを、と心中で付け足して
そうして見送られた二人が寮を出て鏡舎に着くと、ジャミルの姿がそこにあった
「＿＿あ。ジャミルさま」
Aが嬉しそうに顔を綻ばせて名を呼ぶも、こちらを見た彼はさっと表情を固くした。口元が僅かに引き攣っている
「A様、一介の従者に様付けはおやめ下さい」
困ったように息を吐いて「お迎えに上がりました」と頭をさげた。呆気に取られてぱちりと瞬いた彼女はやがておかしそうに笑みを広がらせる
彼女の脳裏には、同じようなやり取りをする小さなジャミルと己が蜃気楼のように浮かんでいた
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藤宮(プロフ) - 紅さん» ありがとうございます〜！この小説をどうぞよろしくお願いします！ (8月17日 23時) (
レス) id: 70681114dc (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (8月12日 0時) (レス) @page25 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - 晏昊さん» ありがとうございます。長らくお待たせしましたが亀更新で頑張ります〜！ (2023年3月6日 0時) (レス) @page21 id: 73feed36fe (このIDを非表示/違反報告)
晏昊 - 好きすぎて一気見しちゃいましたw続きがすごく気になります！頑張ってください！待ってま〜す!!! (2022年5月3日 1時) (レス) @page21 id: 92be24dccc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤宮 | 作成日時：2022年1月5日 2時
