54・死地送り ページ9
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『_ということで、夜鎮家の意向としては協力させていただきます』
高専の学長室で向かい合う夜蛾さんと私。ドアの傍には無言で控える伊地知さん。ついこの前と同じ光景だが、その通り、私は夜蛾さんに夜鎮家の意向を伝えに来ている。
分家を含めて東京に30、京都に30、夜鎮家の呪術師を送ることにした。
本当はもっと多くても良いのだが…私は関与しないし当主も参加しないだろうから、現場の指示に従わせると言ってもあまり数が多いのはいただけない。
目の届かない範囲で何か事を起こされては面倒だ。
『人数配置に関してはこちらで決めましたが、他はそちらの指示に従わせます。当日もそのように』
「……関与はしないのではなかったのですか」
夜蛾さんの伺うような表情に苦笑いを零した。しませんとも、と返す。
『
私の立場上、そうなっては無視するわけにもいきませんので最低限のことだけ決めさせて頂きますと続けた後に、それともいけませんでしたかと問えば首を振られた。
良かった。非難されてたわけではないみたい。
(それにしても、本当に当主は面倒なことをしてくれる)
私に任せるなんて、一体何を考えてるのか…。そのお陰でやり易いと言えばやり易いけど。
『話は以上ですので、失礼します』
室内を出てから思考する。
各地に送る60人の内、それぞれの場所に10人程度は私が信頼出来る人を配置しよう。だから合計20人くらい。
残りは…そうだなぁ。保守派_私に反発的で消えても構わない人を入れておこうか。
それで本当に消えてくれたら楽だし。いっその事、どさくさに紛れて私の駒に消してもらうのも良いかも。
(でも40人消えちゃうのはなぁ…)
まぁ、それは運に任せよう。
『ところで伊地知さん』
「はっ、はい!?」
勢いのある裏返った返事にこっちがビックリした。えー…声かけただけなんだけど…。ちょっーと傷つく。
『私、怖いですか?』
「い、いえ、そういうわけでは…」
彼は「むしろ小さい頃も知ってるので…可愛い…あっ、いえ、成長が感じられ…えっーと、」と口篭りながらも言葉を紡ぐ。うーん申し訳ないけど…
「私が言ったら変態みたいに聞こえるんですが…」
その感じが否めない。
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藤宮(プロフ) - 43 −ヨミ−さん» 初めまして。えっ…めちゃくちゃ嬉しいんだが?!?!私がこだわってる所に気付いてくださって…どうしよう嬉しい!ありがとうございます!頑張ります! (2021年11月19日 11時) (レス) id: 9fd58b0bd3 (このIDを非表示/違反報告)
43 −ヨミ−(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。物語の展開や設定、キャラ間でのそれぞれの感情とか滅茶苦茶素敵でした…!!本当に魅力的で、思わず見入ってしまいました´`* 応援しております、土主様の無理の無い範囲で更新頑張って下さいませ…!! (2021年11月19日 1時) (レス) id: 1d67640196 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - プスメラウィッチさん» 初めまして。う〜〜んオチはすっっごく迷ってるところでして…ご意見聞けて良かったです!ありがとうございます!!頑張ります! (2021年10月10日 21時) (レス) id: 9fd58b0bd3 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年10月6日 10時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - 通りすがりの誰かさん» わざわざ応援してくださりありがとうございます!!嬉しいです。任命式、無事に成功しました〜!! (2021年1月6日 0時) (レス) id: c231945d30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤宮 | 作成日時:2020年10月28日 20時