52・当主の責任 ページ7
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『…はい。私はこの件に関与しないと断らせて頂きました』
何か不都合でも？と顔に貼り付ける。当主は少し顔を歪めたが、まぁいいと言って無表情に戻した。
なぜ断ったのか聞かれないのは、聞く必要も無いと判断されている上に彼に知る気が無いからだろう。聞かれたとしても正直に答えたりはしないが。
『ですが、それは私個人の話です。御当主はどうお考えでしょうか』
夜鎮家をどうなさいますかと、責任持って決めろよという気持ちと共に言葉を付け足す。だが当主は、そんな私の気持ちとは裏腹に考える素振りもなく口を開いた。
「知らん」
『……は？…失礼、今なんと？』
ちょっと本音が出たが気にしないでほしい。
「知らんと言っている。なぜ私が夜鎮家の意向まで決めねばならん」
『それは貴方が当主だからで…』
「興味が無いな」
その答えに思わず絶句した。
いや、興味が無いのは知ってたけど、知ってたけども！私の実の家族を殺したことを隠蔽した時は当主の権力を使ったのに、こういう時に責任は背負わないという！！
改めて怒りが湧いてきた。もはや呆れさえも覚える。
『それでも自身の決定で当主という座に着いていらっしゃるのですから、最低限の責任くらい持つべきでは？』
「その言葉、お前が言えることか？」
『それは…、』
ふつふつと湧き上がってくる怒りを抑えられず、刺々しく苛立ちの滲む言い方で反抗したが呆気なく返された。
確かに今までの私の言動全てに責任を持てるかと言われれば、はっきりと『持てる』とは言い難い。だけど、それを当主に指摘されるのは侮辱的だった。
(一番貴方が言えることじゃない！！)
当主には責任も何もないくせにと返したかったが、言い合うのは無駄だなとため息を零す。
『……決定権は当主にありますから』
「ならば本件に関する決定権をやろう。お前が決めればいい」
『そうで＿＿…え？』
苛立ちを逃がして目を伏せたまま適当に返事をしそうになり我に返った。決定権をやるという言葉とお前が決めろという言葉が耳に残る。
『それってどういう…』
そう聞き返そうと前を向いた時には遅かった。さっきまで当主の居た場所には既に誰も居らず、冷たい風だけが吹いている。
(また…？？)
またあの男は面倒事だけ置いて行きやがった！！
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藤宮(プロフ) - 43 −ヨミ−さん» 初めまして。えっ…めちゃくちゃ嬉しいんだが？！？！私がこだわってる所に気付いてくださって…どうしよう嬉しい！ありがとうございます！頑張ります！ (2021年11月19日 11時) (
レス) id: 9fd58b0bd3 (このIDを非表示/違反報告)
43 −ヨミ−(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。物語の展開や設定、キャラ間でのそれぞれの感情とか滅茶苦茶素敵でした…！！本当に魅力的で、思わず見入ってしまいました´`* 応援しております、土主様の無理の無い範囲で更新頑張って下さいませ…！！ (2021年11月19日 1時) (レス) id: 1d67640196 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - プスメラウィッチさん» 初めまして。う〜〜んオチはすっっごく迷ってるところでして…ご意見聞けて良かったです！ありがとうございます！！頑張ります！ (2021年10月10日 21時) (レス) id: 9fd58b0bd3 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年10月6日 10時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - 通りすがりの誰かさん» わざわざ応援してくださりありがとうございます!!嬉しいです。任命式、無事に成功しました〜！！ (2021年1月6日 0時) (レス) id: c231945d30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤宮 | 作成日時：2020年10月28日 20時
