93・期待外れでも ページ49
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解放されたので瞬時に東堂先輩の元を離れ、棘先輩と恵の元へ逃げる。
『恵〜大丈夫??』
「お前こそ、首…赤くなってるぞ」
『生きてるから大丈夫』
「おかか!」
『えっ、、すみません…』
ヘラヘラ笑って恵に返せば、棘先輩がグルンと勢い良く振り返って怒ったように言った。
なんか、うん、「首もっと大事にしろ」的なことを言われたのは分かったけど。
「あとA、オマエはもっと本気を出せ」
パンダ先輩に「帰れ」と言われた東堂先輩は、意味深な言葉を恵を見ながら言ったり、乙骨先輩への伝言を言ってきたりした後、私にそう言った。
『…………………………はーい』
締められた首が段々と痛みを主張してきて、正直ちょっとイラっと来てるので無視してやろうかと思ったが一応返しておく。
先輩は私の生返事に少し不服そうにしていたが、何も言わず上着を探しに戻った。
『…野薔薇の方には真希先輩が行ってますか?』
東堂先輩の姿が完全に見えなくなってから口を開く。
「しゃけ」
「心配しなくて大丈夫だと思うぞー」
先輩方の言葉に安堵した。
まぁ真衣先輩なんだかんだで優しいからそこまで心配はしてないけど、野薔薇との会話を聞く限りではあまり相性が良いとは言えなさそうだったし…逆に相性いいかもしれないけど。
『ごめんね、恵』
「…は?…なにが」
『いや…野薔薇のこと頼むって言われたのに、守れなかったから…』
流石に無傷は望まない、でも彼女が酷い怪我をしていたら凄く罪悪感を感じる。
恵は痛みに顔を歪ませつつ立ち上がって、私と目線を合わせた。
「釘崎とAじゃ、お前の方が強いから言った言葉だ。責任を負わせたくて言ったわけじゃない」
『……』
「あと釘崎には悪いが、Aが無事なら別にいい」
……私は恵の期待に沿った行動はひとつも出来なかったのに。
『…ありがと』
「…そんな顔すんなよ」
「そーだぞ気にすんなって!」
「しゃけ、高菜!」
恵が困ったように言えば、黙っていた先輩方も慰めるような言葉を口にする。
パンダ先輩がわしゃわしゃと私の頭を撫でて、そのあと棘先輩が髪を整えてくれて、恵がポンと優しく背を叩いてくれた。
うっ、、……優しさが染みるじゃんか。
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藤宮(プロフ) - 43 −ヨミ−さん» 初めまして。えっ…めちゃくちゃ嬉しいんだが?!?!私がこだわってる所に気付いてくださって…どうしよう嬉しい!ありがとうございます!頑張ります! (2021年11月19日 11時) (レス) id: 9fd58b0bd3 (このIDを非表示/違反報告)
43 −ヨミ−(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。物語の展開や設定、キャラ間でのそれぞれの感情とか滅茶苦茶素敵でした…!!本当に魅力的で、思わず見入ってしまいました´`* 応援しております、土主様の無理の無い範囲で更新頑張って下さいませ…!! (2021年11月19日 1時) (レス) id: 1d67640196 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - プスメラウィッチさん» 初めまして。う〜〜んオチはすっっごく迷ってるところでして…ご意見聞けて良かったです!ありがとうございます!!頑張ります! (2021年10月10日 21時) (レス) id: 9fd58b0bd3 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年10月6日 10時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - 通りすがりの誰かさん» わざわざ応援してくださりありがとうございます!!嬉しいです。任命式、無事に成功しました〜!! (2021年1月6日 0時) (レス) id: c231945d30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤宮 | 作成日時:2020年10月28日 20時