68・笑みと疑問 ページ23
·
『……』
「…どうした…？」
『…あぁ、ごめん。何でもないよ』
じっと見つめてしまい虎杖くんを困惑させてしまったようで、誤魔化す為に笑った。笑顔が素敵だったから、と続けたが彼は不思議そうに首を傾げる。
…あれ、流されないタイプ？面倒だな。
それより…この気配は気の所為じゃないよね。明らかに呪いだ。両面宿儺かな？そうだと楽なんだけど…だとしたらどうやって話を切り出そうか。
直球で聞いちゃっていいかなぁ。まず恵に話した方が良いかも。
ちらりと横に目を向ければ、バッチリ目が合った。…虎杖くんは、呪いを知ってそうな子ではない。
「…なぁ、夜鎮は＿」
『虎杖くんさ、幽霊とか信じる？』
ふふ、と笑いを零す。驚いた顔で瞬きした彼は「信じてない」わけでは無さそうだ。でも見えてるわけでも無いだろう。
…いや、ちょっと失礼だけど深く考えたこと無さそう…。
(んー…やりづらい、なぁ)
虎杖くんがもう一度口を開こうとしたとき先生の話が始まって、口を閉ざす。私はそれに気付かない振りをして前を向いた。
＿＿＿＿＿
とりあえず恵に連絡しようとしたものの、転校生が珍しいのか人に囲まれてしまって無理だった。
昼休みが終わる頃にやっと人が引いたので、今度こそ恵の所へと教室を出る。…が今度は虎杖くんに捕まった。
完全に機会逃した…。
『…話って？』
「夜鎮さ、さっき幽霊の話しただろ？そーいうの好きなのかと思って…」
『…あれは＿』
誤魔化そうとも思ったけど、それについて話があるようだし『そうだよ』と頷いておく。やっぱり、と笑った彼はオカ研に所属しているという。
『オカ研？』
「
研究会って実質部活じゃん。でも虎杖くんが指持ってるっぽいし、丁度いいかも。
そう思って『いいの？ありがとう！』と笑った。…けれど、やはり彼は違和感のある表情をする。私が笑う度に。
『…どうしたの？』
「え、いや…」
どもった虎杖くんは「俺が口出して良い事じゃねぇかもなんだけど…」と前置きをして私を真っ直ぐ見据える。
「なんで夜鎮は作り笑いすんの？」
それはひどく純粋な疑問で、誤魔化す為の笑顔は出てこなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 762人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
藤宮(プロフ) - 43 −ヨミ−さん» 初めまして。えっ…めちゃくちゃ嬉しいんだが？！？！私がこだわってる所に気付いてくださって…どうしよう嬉しい！ありがとうございます！頑張ります！ (2021年11月19日 11時) (
レス) id: 9fd58b0bd3 (このIDを非表示/違反報告)
43 −ヨミ−(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。物語の展開や設定、キャラ間でのそれぞれの感情とか滅茶苦茶素敵でした…！！本当に魅力的で、思わず見入ってしまいました´`* 応援しております、土主様の無理の無い範囲で更新頑張って下さいませ…！！ (2021年11月19日 1時) (レス) id: 1d67640196 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - プスメラウィッチさん» 初めまして。う〜〜んオチはすっっごく迷ってるところでして…ご意見聞けて良かったです！ありがとうございます！！頑張ります！ (2021年10月10日 21時) (レス) id: 9fd58b0bd3 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年10月6日 10時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - 通りすがりの誰かさん» わざわざ応援してくださりありがとうございます!!嬉しいです。任命式、無事に成功しました〜！！ (2021年1月6日 0時) (レス) id: c231945d30 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：藤宮 | 作成日時：2020年10月28日 20時
