罪みそじ あまり やっつ ページ40
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俺が運ぶと言った五条は、私が運ぼうかと言う夏油の提案を決して受け入れなかった。断固拒否という強い意思が見える。
そうしてAを部屋まで運ぶ権利を勝ち取った五条は彼女を持ち上げ____下ろした。
手で顔を覆い、空を仰ぐ。
「_可愛い…」
「引いた」
「うるせぇ」
五条と夏油のやり取りを見ていた家入はため息をついた。
Aが可愛いのは確かだが、触れただけでこの状態とは先が長い。というか五条に運ばせるのは止めた方が良かったかな。見た感じ、普通に危なそうだ。主に五条の理性が。
「やっぱり私が運ぼうか?」
「はぁ?このくらい出来るっつーの」
別に、このくらい…と言いながら、五条は薄らと耳が赤い。その様子を夏油はニヤニヤと笑って見ていた。
家入は、今の五条にはAに手を出す程の度胸は無さそうだなと安心する。
まぁ、五条はバカじゃない。Aにそういう何かをしてしまったら、本人に嫌われることくらい分かるだろう。多分。
(恋は盲目と言うから…どうなるかな)
「…ふー、」
深呼吸をして気合いを入れ直した五条がもう一度Aを抱えた。ドアまで歩いて、後ろを振り返る。
「じゃ、ついてくんなよ」
「Aに手を出したらダメだぞ」
「出さねーよ…!」
余計なこと言うな、と夏油を睨んだ五条はそのまま部屋を出て行った。
そんな彼を見送って、家入が口を開く。
「夏油もさ、趣味悪いよね」
「…どうせ協力するんだから、これくらい許されるだろう?」
「どうすんの、Aがアンタのこと好きになったら」
夏油と一瞬、虚をつかれたような顔をしてから表情を緩めた。
「それはないかな」
「ふーん。ま、私もそう思うけど」
きっと、五条のアピールが足りないか。
Aがまだ、その感情に気づいてないだけ。
❀❀❀
一方その頃、五条は非常に困っていた。
Aを横抱きにしてるから両手が塞がってドアを開けれないとかそういうのではない。それよりも、もっと死活問題と言っていい。
そう、彼はまるで戦場にでも行くのかという表情だった。
__俺が、俺が…!
(部屋に、入るのか…?!)
他の誰でもない。五条悟の恋した子。
功幸Aという者の部屋に。
(ベッドに寝かすだけ。ベッドに寝かすだけ…)
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藤宮(プロフ) - 暁郗さん» 母 は 強 し 。……そう、母は強し……母は強し……コメント……ありがとうごぜェます……。 (2021年2月23日 20時) (レス) id: cdb1df32dd (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 母 は 強 し 。 (2021年2月23日 13時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - かわさん» えー?!同じ苗字ですか?!めっちゃミラクルですね!何だか私も嬉しいです!! (2020年12月31日 21時) (レス) id: c97ecbdc86 (このIDを非表示/違反報告)
かわ - まさかの同性の人が出てきて嬉しかったです!現実でも同じ苗字の人と親戚以外であったことがないので! (2020年12月31日 17時) (レス) id: e92a741f95 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - mimiさん» 悪いなんて!むしろ丁寧じゃないですか!凄く褒めて下さるのでめっちゃ嬉しいです。どうぞお楽しみ下さい!!! (2020年12月5日 19時) (レス) id: c231945d30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤宮 | 作成日時:2020年4月22日 0時