罪とお あまり ここのつ ページ21
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「……」
『……』
うへぇどうしよう、と情けない声が心で零れる。
現在、五条に引き摺られて移動中。
本当は引っ張られて歩きたくなんてないけど、五条の有無を言わせぬ無言の圧力によって大人しく手を引かれています。
五条と私は大広間を出て廊下を歩き、人気の少ない裏庭方面の縁側へと出た。
五条は手を離すと縁側に座って視線をこっちに向ける。……座れってことね、はいはい。と大人しく従う。
「で、男?女?」
さっきの質問の続きだろうことを五条は話す。
なんでこの話にこだわるのかな。てか、威圧感凄いな。
五条は(認めたくないが)綺麗な顔してるし、私だって顔は良いと自覚している。
私もこういう、目だけで威圧とか出来るようになるかな。……多分ならないな。
「おい」
呼びかけられて五条を見ればさっきよりも不機嫌な顔で圧力も増していた。
『………男』
「チッ……」
仕方ない、と降参して答えたが火に油を注いでしまったらしい。自分で聞いたのに。
怒る要素あった?と考える私に、不機嫌オーラ全開の五条は「ソイツここに来てんの?」と聞いてきた。
『来てない』
「名前は?」
『教えない』
「あ"?」
五条は、まだしらばっくれんのかよと私を見るが、流石に名前まで勝手に教えるのはまずいだろうから黙る。
だって甚爾さん禪院家だし。
「……歳は?」
えー…粘るなぁ。そろそろ面倒臭くなってきた。
『…知らない』
「知らねぇのかよ」
五条はつまらなそうな顔で言った。
鵜呑みにするのね。いいけど。
素直に納得するのには正直驚いたがそっちの方が私としては都合がいいので、よしよしこのまま帰ろうと立ち上がる。
『じゃあ私は行くか、らっ?!』
返事はしないしこっちは向かない五条に背を向けて足を出すと、何故か着物を引っ張られた。
勢い良く引っ張られたもので、背中から五条の膝に倒れ込んでしまい、パチリと目が合う。
「…ヘンな虫とか付けんなよ」
私の頭を軽く叩いてから背を押して立ちあがせ、五条はそのまま違う方向に歩いて行った。
『え、なに?』
虫?え、頭に付いてたの?それは普通に嫌だ。
『なんなのよ、危ないな』
引っ張られたことを怒れもせず唖然としていた私は、五条の耳が赤かったことを知らない。
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藤宮(プロフ) - 暁郗さん» 母 は 強 し 。……そう、母は強し……母は強し……コメント……ありがとうごぜェます……。 (2021年2月23日 20時) (レス) id: cdb1df32dd (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 母 は 強 し 。 (2021年2月23日 13時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - かわさん» えー?!同じ苗字ですか?!めっちゃミラクルですね!何だか私も嬉しいです!! (2020年12月31日 21時) (レス) id: c97ecbdc86 (このIDを非表示/違反報告)
かわ - まさかの同性の人が出てきて嬉しかったです!現実でも同じ苗字の人と親戚以外であったことがないので! (2020年12月31日 17時) (レス) id: e92a741f95 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - mimiさん» 悪いなんて!むしろ丁寧じゃないですか!凄く褒めて下さるのでめっちゃ嬉しいです。どうぞお楽しみ下さい!!! (2020年12月5日 19時) (レス) id: c231945d30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤宮 | 作成日時:2020年4月22日 0時