【呪術廻戦】私の贖罪

罪とお あまり むっつ ページ18

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あの後……



「もう熱はない」「倒れても五条のせいじゃない」「安全な道で帰る」



などと色々言い訳したが、五条は始終黙ったままだった。



いやもうホント意味わからん。アレは優しさなのか嫌がらせなのか…。多分後者ね。




『ね、ホント困っちゃうよね』

「何がだよ」




少し困ったような顔でそう言った、口の右端にある傷痕が特徴的な黒髪の彼に、私も困ったように微笑む。




『すっごく生意気な奴がいるの』




家柄は私より下のクセに私が弱いからって理由で罵倒してくる奴。


そう付け足せば彼は意地の悪そうな笑い方をした。




「オマエも大概生意気だ」

『ぜっったい私の方がマシ！』

「いや相手誰だよ」




思わず声を荒らげた私に、いい加減教えろ、と言う彼。それを無視して屋敷の周りを囲む塀に登ったら聞くのは諦めたらしい。

諦めるの早いな……もう少し粘ってよ。



というか、名前を言ったところで貴方が知ってるとは思えない。


五条のウザさを共感して欲しかったのだが相談する相手を間違えたかな。いや間違えたな確実に。




「登るな、バレたら面倒だろうが」

『…誰に？』



「……………………ジジイ」




名前を呼ぶのも嫌だというような顔で呟いた言葉は、きっと禪院直毘人とかいう人のことを言っているのだろう。

正式にじゃないけど今は私が禪院家に来ている。




『私の方が上だけど？』




家柄はね。




「才能がねぇと意味ねーよ」




その言葉は私に言ったのだろうけど、彼が自分自身にも言ったような気がして思わず顔を伏せる。


まぁそりゃそうだ。才能大好きだもんなお偉いさん方は。だから五条だって才能の無い私を馬鹿にしてくるんだ。




「ほらよ」




彼はそう言っては私を抱き上げ、塀かろ下ろす。…………一人で降りれたのに。




『…子供扱いだ』

「オマエはまだガキだろうが」




不満気にする私に、もう少し大人になったら女扱いしてやる。と彼は笑った。


えー……その言い方なんか不穏(失礼)




「面倒事になる前にさっさと帰れよ」

『はーい、また来ていい？』



「ダメだっつっても来るんだろ？」

『もちろん』




そう笑った私に、呆れた表情で手を振ってくれた。





＿＿＿＿＿禪院甚爾。






貴方はやっぱり、優しいところは優しい人だ。

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