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アフトクラトルに着くまで何日か掛かることは知っていたから、その間オレはずっとAのことを考えていた。
Aのことを想うと胸が苦しい。心臓の奥の方が締め付けられるようで、痛かった。
こういう時どうすればいいのかオレは知らなかった。食事は喉を通らなくて、夜もまともに寝られなくて、挙句の果てにはオサムとチカに児童書を読み聞かせられる始末だ。それでオレが寝ると思っているのなら二人ともオレのことを舐めすぎだと思う。
こんな状態では本国で待つ主に顔向けなどできない。だったらいっそ出会わなければよかった、なんて、それもユーマが聞いたら嘘をつくなと笑うだろう。
できることなら全て忘れてしまいたかった。でも、あいつの温もりだけは覚えていたいと思った。
「クソッ、」
遠征艇に乗り込む直前、こちらへ手を伸ばしたAの顔が脳裏に焼き付いて離れない。最後に一度、抱きしめてやるくらいすればよかった。
あいつは人に涙を見せないやつだから、どうせ今もどこかで一人泣いているのだろう。叶うことならオレがその涙を拭ってやりたいと思う。でもオレがいるべき場所はここではないとも分かっている。
Aの笑った顔が好きだった。でもオレにだけ見せる泣き顔も好きだった。
Aから紡がれる言葉たちを、遠い未来でも聞いていたいと思った。
きっとこれから無理やり仕舞い込んだ想いに苦しめられることが幾度となくあるだろう。
でもその時が来たらちゃんと一人でなんとかする。Aが居なくても、ちゃんと前を向いて生きていくから。
だから今だけは、おまえを想って涙を流すのを許して欲しい。
「……好きだ、A……」
一緒に居られなくてごめん。無責任に好きになってごめん。
どうか、幸せになって欲しい。
そのためならオレを忘れたって、構わないから。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
8月×日 天気：晴れ ときどき 雨
その恋の終着地点は。
ｰ夕立ｰ ゆうだち
夏の夕方に短い時間で激しく降る雨。
▽諸事情で遠征が一週間後になったってことにしといて下さい。(投げやり)
続く
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ピンス(プロフ) - 待ってます‼︎ (11月23日 20時) (
レス) id: 18a9383861 (このIDを非表示/違反報告)
藤丸(プロフ) - ピンスさん» ありがとうございます！これからもお楽しみいただけるよう頑張ります。 (11月15日 22時) (レス) id: ad8b4578d9 (このIDを非表示/違反報告)
ピンス - ワートリの短編集好きなので楽しみにしてます！ (11月14日 22時) (レス) id: 18a9383861 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤丸 | 作成日時：2023年4月11日 23時
