CHAPTER3 古寺章平 ページ10
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ここで少し、わたしの過去の話をしようと思う。
いきなりなぜかと言うと、あの近界民のチビッ子(以下略)事件から時々話すようになった古寺くんから昔の三輪隊のことを聞きたいと言われたからだ。
でも古寺くんは今のままでも三輪隊の素晴らしい
そんなこんなでわたしと古寺くんは最近JKの間で流行しているオシャンティーなカフェに来ている。
まじでわたしたちの周りキラキラした女の子ばっかりで吐きそう。話をするならこんなキラッキラなところじゃなくてもっとほら、土手の芝生の上とかでいいよ。あ、古寺くんも吐きそうになってる。
「あ、その、今日は昔の三輪隊のことを話せばいいのかな、でも正直今とそんな変わらないので古寺くんにとって有益な情報は話せないと言いますか」
とりあえず話を始めてみようとしたけど本当に何を話せばいいのか分からない。そもそも誰かとこういうところに来たことがないからどういう話をすれば楽しんでもらえるかの知識が全くない。
ましてや男の子と2人きりでなんて余計……待てよ、これってもしかしてデートなのでは?
「いや、確かに今日聞きたいのは昔の三輪隊のことだけど、おれが知りたいのは山田さんのことだよ」
ゑ?
……おいおい、わたしのことが知りたいだって?もしかしなくてもこのメガネボーイ、わたしのことが好きなのか?ったく、そんなこと言ったって今日のカフェのお代くらいしか出ないぞ……
「違うから、同じ三輪隊の狙撃手として話を聞きたいだけだから」
ですよね。ふざけたこと考えてすみません。わたしのことを好きなんて三輪先輩が裸でサンバ踊るくらいありえないよね。
それよりなんでわたしの考えていることが分かった。エスパーか?
「顔に出てるから……」
……恐るべしメガネ。
それより古寺くんはわたしの三輪隊時代について知りたいのか。ちょっと恥ずかしいけど、古寺くんは初めて一緒にお出かけしてくれた友達(照)だからここは出血大サービスでお話してあげることにしよう。
「あれはまだ、わたしがボーダーというものを知る前のこと……」
「そんな前から話さなくていいよ」
「ごめんなさい」
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作者名:藤丸 | 作成日時:2023年2月26日 23時