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「この前色々あって大変だったんですよお!だから合同訓練のことは勘弁してください!!これからはちゃんと出るので!!」




この前色々あったのは本当だし、ボーダー内でいつあの近界民に会うか不安で胃が痛いから今日は休もうと思っただけで、決してこれはサボりではない!!


わたしは涙ながら必死に弁解したが、この男は一切聞く気がない。あろうことか荒船哲次(怒)から荒船哲次(鬼)に進化してしまった。世界一捕まえたくない進化ポケモンなんだけど。


荒船哲次(鬼)はじわじわとこちらへ向かってくる。もう終わりだ。荒船、ゲットだぜ!!(泣)




「お前この前もそう言ってランク戦免除してやっただろ!!今度と言う今度は許さねえからな!!とっとと行ってこい!!」

「キャン!」




首根っこを掴まれたわたしは無残にも部屋の外へ放り出される。




「そんな殺生なぁ……」




ドアの前でメソメソと泣き真似をしていたら、先程閉まったはずのドアが再びガチャリと開く。


……おや!?荒船哲次(鬼)のようすが……!


おめでとう!荒船哲次(鬼)は荒船哲次(慈)にしんかした!




「あ、荒船しぇんぱい……!」




荒船先輩はわたしへの慈悲の心を忘れていなかったらしい。きっと可哀想なわたしを見て考えを改めてくれたんだ、進化バンザイ!!




「弧月も2000上げてこい」




バタン


荒船哲次(慈)はわたしの見た幻だった。


途端に崩れ落ちるわたし。あれわたし狙撃手(スナイパー)だよね?なんでスコピと弧月のポイント上げさせられそうになってんの?


今日のメニューは攻撃手(アタッカー)か〜次は射手(シューター)かな〜なんて荒んだ心で考える。


あぁ愛しの半崎、わたしに救いの手を……


ガチャ




「半崎は補習だ。残念だったな」




前言撤回、誰でもいいからわたしに救いの手をください。

・→←CHAPTER2 荒船哲次



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作者名:藤丸 | 作成日時:2023年2月26日 23時

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