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CHAPTER2 荒船哲次 ページ7




近界民のチビッ子倒すぞ計画も無事(?)終わり、推しの星5ガチャも無事爆死したわたしは実家に帰り泣き寝入りし、その数週間後に噂の近界民は迅さんのブラックトリガーと引き替えにボーダーに入隊した。


自分たちが倒そうとした子が同じ組織に入っているなんて恐ろしいにもほどがある。これからはあまり部屋から出ないようにしよう……


あんなにあったガチャチケットが無くなって傷心中のわたしは、ソロ隊員になってから入り浸っている荒船隊の隊室で何度引いても爆死画面しか写さないスマホを手にゴロゴロしていた。


もう今日は寝る。1日寝て過ごしてやる。


一周まわって開き直ったわたしはふかふかのマットレスの上で誰にも邪魔されず惰眠を謳歌するはずだった。


___あの人が来るまでは(ターミネーターのテーマ)




「てめぇ……」

「あ、あ、その……」

「また狙撃手(スナイパー)合同訓練サボったな!?」

「ヒィ!!ア、アノ、エト……」

「ハッキリ喋れ!!」

「大変申し訳ありませんでした!!!」




いきなり来て鬼のような顔と声をお披露目してきたのは2つ年上の荒船哲次先輩。


荒船先輩は三輪隊を抜けてひとり彷徨っていたわたしを拾って何故か完璧万能手(パーフェクトオールラウンダー)にさせようとしている優しい先輩、だったはずなのだが。




「罰としてランク戦でスコーピオンのポイント2000上げてこい!!」




いつからこんな鬼畜先輩になってしまったのだろうか。


自分の記憶では初めて出会った頃はもうちょっと優しくしてもらっていた気がする。荒船先輩はどうも人より打たれ弱いわたしのことを心配して、ちょっとしたことでは折れない鋼の心を育ててあげようとでも考えているのかもしれない。


目の前で怒り狂う荒船先輩を見てこの前迅さんが言っていたのはこのことだったのかと今更気付く。もっと早く気付いてたら絶対ここに来なかったのに!!

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作者名:藤丸 | 作成日時:2023年2月26日 23時

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