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結果的にその近界民との戦闘は普通に始まってしまい、三輪隊陣は全力で戦った上で負けた。こりゃあ完全敗北ですわ。
ちなみに三輪先輩とはさっき作戦会議のときにちょこっと会ったけど特に何も言われなかったのが逆に怖い。
三輪先輩が空の流星となった今、指示を出してくれる人が居なくなってしまったので、とりあえず駅のホームに降りて先に下に行った
そしたらそのうちの1人がわたしに気付き、あろうことかこっちに向かって走ってきた。え、なになになに
「はじめまして、おれ古寺章平です」
「ア、アス……」
走ってきたのはさっきからちょくちょく登場してきたメガネの男の子。ちょっと微妙な顔で自己紹介する彼はわたしが三輪隊を抜けた後に三輪先輩からスカウトされたらしい。わたしなんかの後釜にしてしまってごめんね……あ、同い年なんだ、よろしく山田です……
そうださっき古寺くんに1人で叫んでたの見られてたんだった、かなり死にたい。
「じゃあな!次は手加減なしでよろしく!」
あっちはどうやら一段落ついたらしい。それなら早く帰ろう、さっきから近界民とその連れ2人組からの視線が痛いから……
彼らと目を合わせないようにそそくさと米屋先輩たちに続いて帰ろうとしたら、いつの間にか後ろに立ってた迅さんに捕まった。え、挨拶しないで帰ろうとしたから怒った?ねえねえ怒った?
「じじじ迅さん」
「や、久しぶりA。」
こっちはしょっちゅう迅さんのこと見かけてるから全然久しぶりジャナーイとかふざけたこと考えてたらこんなことを言われた。
「明日からは『先輩』に気をつけたほうがいいよ」
え、何怖すぎ。
その言葉の意味を悶々と考えていたら、新しいメガネの子を連れてきた迅さんに肩を掴まれる。
「Aも一緒に本部行くだろ?」
な ん だ っ て ?
「ベ、緊急脱出!!」
迅さんの恐ろしい言葉と近界民のチビッ子からの視線に気づかないふりをして、緊急脱出先の柔らかいマットレスに身を委ねる。
こういうときほんと便利だよね、緊急脱出機能。
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作者名:藤丸 | 作成日時:2023年2月26日 23時