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「その時間を過ごしたら、嫌なこともちょっとは嫌じゃなくなってるかもしれない」
「前より少し、頑張れるかもしれない。」
「そういう時間が、君たちの
お宅の狙撃手ちゃんが鳩原先輩みたいに撃てないんじゃなくて、ただ自分で撃つのが嫌なんだとしたら、理由にもよるが先程説明した『逃げる時間』というものが解決してくれると思う。
多分その子はまだ自分が撃てない原因が分かってないんじゃないかな。だからその原因を突き止めて、それをどうしたら解決出来るか一緒に考えてあげるのはいかがでしょう。
ちなみにわたしの嫌なことは、他の隊との合同任務、狙撃手合同訓練、荒船先輩とのマンツーマン指導(死)とかね。なのに最近荒船先輩逃げる時間くれないの。気づいたら捕まってるの(恐怖)
そんなわたしの嫌なこと事情は置いといて、改めて遊真くんの方に向き直る。
「だから」
その子がやろうと思えるまで、待ってみてもいいんじゃないかな。
わたしはそっと微笑んだ。
三雲隊に、顔も知らない狙撃手ちゃんに、精一杯の助言と応援の意を込めて。
そんなわたしに一瞬目を見開く遊真くん。ねえなんでわたしが笑顔を見せるとみんな変な反応するのかな。なに、わたしの笑顔はシーサーに似てたりでもするんですか(怒)
「遊真くんたちに出来るのは、その子の時間にたっぷり付き合ってあげることじゃないかなあ」
わたしの時間に付き合ってくれる人はいなかったけどさ、その狙撃手ちゃんにはどうやら二人いるらしいじゃん。それに三雲隊ってたしか玉狛でしょ?玉狛支部って……いや大家族やないかい。二人どころじゃなくて十数人もいるよ。
「チカの時間に、付き合ってあげる……」
「うん。そうそう……」
あ、ほら、みんなでお出かけとかどう?前古寺くんと行ったカフェ結構良かったよ、キラキラした女の子たちばっかりだったけど。え、その時間で訓練する?随分ストイックなんだね三雲隊って。
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作者名:藤丸 | 作成日時:2023年2月26日 23時