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CHAPTER6 雨取千佳 ページ31




わたしたちは既に戦闘を放棄し、住宅街ステージのど真ん中に座ってお話している。そこで遊真くんが所属している三雲隊が遠征を目指して頑張っていることを教えてもらった。


君そんなちいこいのにすごいわね、お姉さん感動したよ。「なまえさんは遠征に行ったことあるのか?」……ごめん、わたしは行ったことない。その時にはもう三輪隊抜けてたし。


それより遊真くんの相談というのは三雲隊の狙撃手(スナイパー)が人を撃てないことについてだった。人を撃てない狙撃手なんて鳩原先輩以来だなあ、まあでもわたしは逆に人をバカスカ撃ってる現状の方が異常なんじゃないかと思うけどね。




「なまえさん聞いてる?」

「アッはい、聞いてます……」




それにしてもお宅の狙撃手ちゃんは本当に人が撃てない子なのか。鳩原先輩と同じ感じかな、と確かにさっきは思ったけど、話を聞く限りわたしが遊真くんを撃たなかったみたいにただ自分じゃ撃ちたくないってだけな感じがするぞ。わたしのサイドエフェクト『第六感』がそう言ってる(ウソ)




「おれたちがA級になるにはチカに撃てるようになってもらわないとだめだ。でもおれはチカに無理はさせたくない」




貴方本当にいい子ね。こんないい子を駆逐しようとしていたなんて腹を斬ってお詫びしたい。なんなら今から巨人に食べられてくるわ。


……なんてバカなことを考えていないで、早く目の前の健気な後輩に助言してあげなければ。わたしはあの胡散臭ングラスみたいにはならないぞ。




「あの、わたしね。嫌なことがあるとすぐ逃げちゃうの。」

「?そうなのか」

「えと、それで逃げたとしてもさ、その嫌なことって無くなったわけじゃないんだよね」




内容を端折りすぎて突然突拍子もないことを言い出したみたいになってしまった。しかもそれさえあまり意味が伝わらなかったらしく遊真くんはかわいく首を傾げてしまう。


それでもちゃんと聞いてくれるの優しい!好き!!(限界)

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作者名:藤丸 | 作成日時:2023年2月26日 23時

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