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「なまえさん?だよね。迅さんが言ってた」
「え?あっはい、山田Aです……」
「あれ、遊真先輩知り合い?」
「うん。この前みわ先輩と」
「その節はほんとうに申し訳ありませんでした!!!!」
近界民さんもしかしてあの日のこと忘れてないかな……なんてそんな都合よくいくはずもなく、幼気な白いもふもふを前に居た堪れなくなったわたしはおでこが擦り切れるくらい頭を下げた。
「いや、もう過ぎたことだし気にしてないよ」
「聖母か?」
「え?」
「あ、いえ……ごめんなさい……」
なんということだろう。今まで鬼畜な先輩や後輩しか見てこなかったわたしには彼が後光の差す聖母か何かに見えた。いや見えたじゃない、あれは確かに聖母だった。なんか髪も白いしもしかしたら神様かもしれない。あ〜南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏……
「なんの話?2人は友達なの?」
「いや、そういうわけではないぞ」
「友達だなんて滅相もない……」
「ふーん?あ、そうだ!遊真先輩ランク戦しに来たんだよね?ならAちゃんとやりなよ!」
「!?!?」
ななななななにを言い出すんだ緑川サマは!?
わたしは土下座の体勢から一気に飛び起きて両手で緑川くんの口を塞ぐ。
何するの!みたいなこと言ってるけどそれこっちのセリフだからね。もし今後そんなふざけたことを言おうものならその困ったお口縫い付けてミッフィーちゃん!って笑ってやるぞ。お前は今日からミッフィー川だ!ミしか合ってない!!
「なまえさんは
「弱いです勘弁してください」
「でもポイント上げなきゃいけないんでしょ?」
「いくらなんでもえーと、この子とやらなくてもいいじゃん!!」
「遊真先輩だよ!」
「遊真先輩と!!やらなくてもいいじゃん!」
「おれはなまえさんより年下だよ」
「分かってるよ!!」
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作者名:藤丸 | 作成日時:2023年2月26日 23時