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『あの、緑川くん。その、わたしそろそろ点を取りに行くので……またね』
『あっ、そっか〜!分かった!』
緑川くんとの試合も終わり、この会話をしたのがほんの数分前。そろそろ本格的に2000点取らないと帰りに間に合わないことに気づいたわたしは彼に別れを告げ、次なる対戦相手を探すつもりだった。
それなのに。
「でさー、よねやん先輩が」
「いやおかしいやろ!!」
な ん で こ う な っ た 。
何故かロビーのソファで緑川くんと一息ついているわたしはつい大声でツッコむ。あれなんで?なんでわたしこんなところでゆっくり寛いでるの?
「わあ〜びっくりした〜」じゃないんだよ緑川くん。君さ、またねって知ってる?また今度会おうねってことだよ、また今お話しようってことじゃない。
もうヤダこの流されやすい性格ほんとどうにかしたい(切実)。
「あ、そういえばAちゃん、遊真先輩って知ってる?」
知らない。
新しい対戦相手を探すのを諦めたわたしはソファの背もたれに寄りかかりながら緑川くんの話に耳を傾ける。
はて、ユウマなんて人ボーダーにいたっけ?国近先輩……はユウか。B級の名前はある程度知ってるはずだからC級か?いや待てよ、ユウマってどこかで聞いたことある気が……
うーん、わたしに学校の知り合いなんて居ないからボーダーのどこかで聞いたはずなんだよな。あれなんか目から汗が……
「それでさ、……って聞いてる?」
「はっ!ごめんなさい、ちょっと違う世界に行ってました」
「どゆこと」
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作者名:藤丸 | 作成日時:2023年2月26日 23時