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「……ちゃん、Aちゃん!!」
「!!!!!」
「珍しいね、ここにいるの!……ってAちゃん?」
「……」
「え!?うそ、死んでる!?」
「……はっ!!わたしは一体なにを」
どうやら完全に自分の世界に入りこんでいたわたしは急に誰かに話しかけられ大層驚き、意識が宇宙空間へ旅立ってしまっていたようだ。
なので今話しかけてきた人は今度からわたしが突然宇宙旅行に行ってしまわないよう気をつけながら声をかけるようにしてほしい。頼むから。
「あー良かった、戻ってきた!」
「え、えっえ、み、緑川くん」
「Aちゃん全然反応してくれないからびっくりしちゃったよー」
「あ、た、大変申し訳ございません」
わたしを宇宙空間へ連れていったのは同じA級隊員の緑川くんだった。この子パーソナルスペース狭いから怖いんだよな〜全然嫌いとかいうわけじゃないけど。
アッほら、今もちょこっと肩触れてる……って待って、なんかだんだん近寄ってきてない!?ピピーッ!直ちに離れてください!……待っ、アーーッッ!近い!!
「Aちゃんさ、ランク戦しに来たならオレとやろうよ!どーせ荒船さんにスコーピオンか弧月のポイント上げてこいって言われたんでしょ?」
「な、なぜそれを!!」
「だってAちゃんがブース来る理由なんてそれ以外にないじゃん!」
「なんだって……」
怯えるわたしにぐいぐい詰め寄る緑川くん。
わたしのこれからの行動だけでなくそれに至る経緯まで見抜かれてしまったわたしは先程とは違う意味で震え上がる。
古寺くんもそうだけどなんでわたしの周りにはエスパーしかいないんだ。是非ともわたしになり方を教えてくれ。
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作者名:藤丸 | 作成日時:2023年2月26日 23時