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そんな先輩たちも最終的にはわたしの意志を汲み取ってくれて、わたしが三輪隊でいる最後の日には卒業パーティーを開いてくれた。(脱退パーティーだとなんか嫌だからと卒業名義になった。)
「三輪隊じゃなくなっても、Aちゃんは私の大切な後輩だわ」
「これからもサシでランク戦しような!」
「お前は優秀な
先輩たちの暖かい言葉に涙が出そうになる。わたしは今まで先輩たちにとても大切にされていたんだ、とこの日初めて自覚した。
わたしはずっと、こんな出来損ないの狙撃手なんて足でまといだとか迷惑だとか思われていると思っていたけど、それは大きな間違いだった。そのことにチームをやめてから気づくなんて、わたしは本当に幸せ者だと思う。
すでに溢れそうな涙を誤魔化すように遠くへ目を向けると、たまたまそこに居た三輪先輩と視線が交わった。まさかこっちを見ているとは思っていなくてめちゃくちゃ動揺してしまう。
そんなわたしを三輪先輩はなんだか物憂げな表情で見つめていた。
「あ、えと、今までありがとうございました」
「……おまえは」
「え?」
「いや、なんでもない。こちらこそありがとう」
「……!はい!」
こうしてわたしの三輪隊としての生活は数ヶ月の短い期間を経て幕を閉じ、わたしはA級ソロ隊員として街を守る存在となった。
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「三輪くんが、」「秀次が、」
「「笑った!?」」
「うるさい」
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作者名:藤丸 | 作成日時:2023年2月26日 23時