１６ ページ16
「なによ…くだらない嘘ついて」
上から女がキツく俺を睨む…いや
俺じゃない。宏光を睨んでる…。
「勘違いして…北山に手を出したのか？巻き込むのは勘弁してくれ。俺たち二人の問題だろ」
「黙れ…勘違いでも巻き込みでもなんでもない！！」
コツコツとヒールの音を立てて俺たちの方へ近づいてくる。
それを感じた宏光が俺に掴まりながら起き上がろうとしたから、手伝って近づく女から護るように座った宏光の前に憚った。
後ろからぎゅっと服の裾が掴まれたのがわかる…
この前以上に巻き込みたくない、今後また宏光なにかあったらどうしようとあんなに怖がっていたことが、今現実になっている。
絶対に、これ以上は…。
「あんたはどう思うの？この最低男。浮気してたのよ？！」
ヒステリックに女が俺らの頭上で叫びだす。
今は人通りはないが、きっともうすぐ誰か一人は通るはずだ。それまでにこれ以上絶対宏光に手を出されないようにしなければ…。
「あんた許すの…？私は許せない！！この男のことも、私だけ捨てられて、あんただけが幸せになるなんて許せない！！」
そう叫んで、勢いよく宏光の前髪を掴んだ女を力尽くで離す。
「やめろ！！北山は関係ないって言ってるだろ！一旦落ち着いてくれ！！」
「やだ！！」
さすがに男の力で抑えれば、女一人くらいはなんとかなる…だけど。
K「藤ヶ谷！！」
その叫び声と共に、後ろから宏光に飛びつかれ、二人でコンクリートに勢いよく倒れ込む。
「いっ…」
K「藤ヶ谷！危ない！！」
コンクリートに当たった衝撃で瞑った目を、宏光の声で開けると、さっきの男がスタンガンを持って立っていた。
急いで立って俺を引っ張る宏光につられて、俺も立ち上がる。
すると、スタンガンを片手に男が近づいてくる。俺は宏光に握られた腕を振り払い、男を必死で抑えた。
しかし男は想像以上に力強く、俺は負けてそのまま男にコンクリートへ押し付けられた。
「北山逃げて！！」
そう言っても宏光は抑えられている俺を見て、立ちすくんでいる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 701人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
氷 - 北山宏光君のドラマ新聞社の女の人スッゴい強引に家に入れてやらしい事してました。北山宏光君大好きです (2022年2月12日 10時) (携帯から) (
レス) id: 63b7d0fc4e (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - あやりさん» コメントありがとうございます。2人の幸せを願っていただけて、作者として嬉しいです！笑 (2021年9月30日 0時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
あやり(プロフ) - このお2人に穏やかな幸せが訪れますように...♡ (2021年9月26日 0時) (レス) @page33 id: 379a52cc0f (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - ふみさん» コメントありがとうございます。本編から読んでいただき嬉しいです。うまく書けるかわかりませんが、これからも読んでいただけると嬉しいです(^^) (2021年9月13日 4時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - こんばんは、アフターストーリーありがとうございます!!更新楽しみにしています。 (2021年9月12日 21時) (レス) id: 1827b6c1cf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：櫻弓 想
| 作成日時：2021年9月12日 1時
