８ ページ8
今日は宏光がご飯を作ってくれていた。
美味しそうな卵の匂いがしてきて、運ばれてきたのはオムライス。
「いただきまーす」
宏光と過ごしていると、自然とお腹も空いてきて
不安を掻き消して、いつも通りを演じる。
K「あ！貸して！」
そう言われて、まだ手を付けていないオムライスを取られると、宏光がケチャップで文字を書きだす。
�爐欧鵑�？��
俺が宏光の表情を見て、寂しさを汲み取った時と同じ。
宏光だって、俺の表情を汲み取れるんだ…。
K「仕事？なんかあったの？」
「…ばれた？大したことないんだけど、ちょっと凹んだだけ。それでわかる宏光はさすがだな」
K「あたりまえだろ？まあ、大したことないなら良かった」
可愛くて童顔だから忘れかけるけど、宏光は男らしくて頼りがいのある年上の恋人なんだ。
俺は、はてなマークの部分だけを掬って食べて、�爐欧鵑��瓩砲覆辰織�ムライスを宏光に見せる。
それを見て宏光は嬉しそうに笑った。
幸せにしたいって、この笑顔を守るって思ったばっかりだったのに。
巻き込んだらどうしようという気持ちがまた巡った。
K「…お腹いっぱいでちょっと苦しいし、消費しに散歩行かね？で、コンビニでデザート買ってやるよ」
「お腹いっぱいなのに、デザート？(笑)」
K「いーんだよ。買ってやるつってんだから、そこは喜んで付いて来るもんだろ〜。ほら行くぞ」
手を恋人繋ぎで繋がれて、玄関まで引っ張られる。
俺を元気にしようとしてくれてる気持ちが、痛いほど伝わった。
「宏光って優しいね」
K「んだよ急に(笑)」
残念ながら外では手を繋げないから、ギリギリ繋がない距離で静かな夜道を歩く。
「俺はいっぱい放ってたのに、こんなに構ってくれるなんて」
K「…だからぁ、過去のことはいいって前言っただろ。それに、自分を責めるなとも言ったはずだぞ」
「うん…」
K「だって、幸せにしてくれんだろ？」
宏光が立ち止まって、俺の顔を見上げてニタッと笑う。
そのままピタッと止まってしまった俺に返事は求めずに宏光は
K「なら、俺はそれでいい」
それだけ言って、少し前を歩き進めた。
大したことじゃない…って宏光は察してると思うんだ。だって、俺のことこんだけわかるんだから。
だから、きっと宏光も今不安なはず…また何かあるんじゃないかって。
それなのに、こんだけ俺を元気にしようとしてくれている…強い男を演じてくれているんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 701人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
氷 - 北山宏光君のドラマ新聞社の女の人スッゴい強引に家に入れてやらしい事してました。北山宏光君大好きです (2022年2月12日 10時) (携帯から) (
レス) id: 63b7d0fc4e (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - あやりさん» コメントありがとうございます。2人の幸せを願っていただけて、作者として嬉しいです！笑 (2021年9月30日 0時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
あやり(プロフ) - このお2人に穏やかな幸せが訪れますように...♡ (2021年9月26日 0時) (レス) @page33 id: 379a52cc0f (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - ふみさん» コメントありがとうございます。本編から読んでいただき嬉しいです。うまく書けるかわかりませんが、これからも読んでいただけると嬉しいです(^^) (2021年9月13日 4時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - こんばんは、アフターストーリーありがとうございます!!更新楽しみにしています。 (2021年9月12日 21時) (レス) id: 1827b6c1cf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：櫻弓 想
| 作成日時：2021年9月12日 1時
