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Aside
…何か私、硝子に笑われてない…?
気のせい?凄い爆笑されてるんだけど…
「最高に面白い」と言う硝子に対し、『…そっか』と苦笑いを貼り付けて言った。
「__あれ、てか夏油は?」
『んー。もうすぐ来ると思う…
…あ、来た』
噂をすれば本人登場、というやつだろうか。
私がそう呟けば、傑は小さく手を掲げて此方に歩み寄ってきた。
「おはよう、硝子。…待たせてしまってすまないね」
「別にぃ。気にしてないから大丈夫」
悪戯っぽい笑みを浮かべ、此方と傑を交互に見やる硝子。
その表情に何が隠されているのか分からなかったが、良からぬ事であるのは察した。
『す、傑も揃ったし、練習、始めない?』
「ん、了解」
「そうだね」
__こうして始まった体術の練習だったが、その輪に入らない悟の姿があった。
『…悟は、大丈夫なの…?』
「あー、五条今なんか眠いみたい」
『…そっか』
◇
体術の練習も前半を終え、休憩時間に差し掛かった所。
『疲れたー!!
あ、そだ。私、飲み物買ってくるけど、何が良い?』
「お、さんきゅ。じゃ、私は麦茶」
一先ず硝子にそう聞いてから、二人にも何が飲みたいかを聞きに行った。
『傑、飲み物買いに行くんだけど、何飲みたい?』
「良いのかい?…じゃあ、スポーツドリンクをお願いするよ」
『了解!』と威勢の良い声で親指を立て、笑みを浮かべる。
__後は悟…
「眠い」と硝子から聞いていたが、話し掛けて大丈夫だろうか。
そして昨日の事もあって、実は悟と顔を合わせるのが気まずい。
…でも、そんな事を気にしているのは私だけかもしれない。__きっとそうだ。
だから私は、木陰で涼む悟に歩を進めた。
『さっ、悟!
何か飲み物買ってくるけど、何が良い…?』
勢い余って声は上擦り、やけに片言。
これじゃあ、バレバレじゃん。
また恥ずかしい思いしたよ、私。
.
.
__ていうか、悟…?
え、聞こえてなかった…?
あれ、今の声ってもしかして私の心の声?
『悟……?』
.
.
……んん?
『ぇ、あ、悟…?』
「何回呼ぶんだよ、
しつこい、鬱陶しい
__つか、話し掛けてくんなよ」
___ぇ?
サングラスから覗く凍えるような眼差しと、口から吐き出される棘々しい言葉。
私はぽかり、とだらしなく口を開け、棒立ちになりながらその場に佇んでいた。
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辛味噌らぁめん(プロフ) - プスメラウィッチさん» あ、微妙な五条悟オチで一応完結してます!! ありがとうございます! (2021年4月3日 7時) (レス) id: b998454b66 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年4月3日 1時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
辛味噌らぁめん(プロフ) - ふらっぺさん» わ、ありがとうございます !! 頑張ります ! (2021年3月21日 21時) (レス) id: 8b5fb8a06d (このIDを非表示/違反報告)
ふらっぺ(プロフ) - めっちゃきゅーんってなりました!!更新頑張ってください、応援してます!! (2021年3月21日 19時) (レス) id: bcf3d49fc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:辛味噌らぁめん | 作成日時:2021年3月4日 20時