▼ ページ3
Aside
蒼の鋭い眼光が私達に向けられる。
その様子に私は一瞬びくり、と怯んだが、傑の方は何とも思っていない様子。
「気色悪い…？心外だね。ただ私はAと話していただけだよ？」
「気色悪い」と言われた事は気にしていないようだった。が、やけに「Aと話していただけ」を強調したように聞こえた。
そして、「そうだよね？」と言わんばかりに向けられる視線。否、圧。先程までは何処か暖かさを感じたその笑みが、今となっては重圧と化した。
その圧に負け、私は小さく二回頷く。
傑と私の様子に軽く舌打ちを入れ、「あっそ、」と素っ気なく返す悟。それから、「お邪魔して悪かったな。＿＿てか、早く帰れよ、」と嫌味な言葉を吐かれた。
その後は、くるりと踵を返して何処かへ行ってしまった。
何だったんだ…私がそう思っていると、前からくすり、と笑い声が聞こえた。
「言いたい事があったなら言えば良かったじゃないか、」
そう呟く傑。私が首を傾けると、傑は「何でもないよ、」と言わんばかりにひらひら、と手を振った。
「＿＿それじゃあ、帰ろうか。すまないね、先生が待っているのに。」
ああそうだ。今日は、夜蛾先生に呼ばれているのだった。
申し訳なさそうに眉を下げて謝る傑に、『大丈夫、』と笑ってみせた。こうもしないと、心配させてしまうから。
「そうかい？…なら、良かったよ。じゃあ、またね。」
にこり、と此方に笑みを向けて、手をゆらゆらと振ってくれた。
傑は私に背を向け帰路についた。
私は、その背中をいつの間にか見送っていた。
＿＿心臓がチクリ、と刺されるような痛み。それに気が付いた時には視界から傑の姿はなくなっていた。
---------------
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 59人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
辛味噌らぁめん(プロフ) - プスメラウィッチさん» あ、微妙な五条悟オチで一応完結してます!! ありがとうございます! (2021年4月3日 7時) (
レス) id: b998454b66 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年4月3日 1時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
辛味噌らぁめん(プロフ) - ふらっぺさん» わ、ありがとうございます !! 頑張ります ! (2021年3月21日 21時) (レス) id: 8b5fb8a06d (このIDを非表示/違反報告)
ふらっぺ(プロフ) - めっちゃきゅーんってなりました！！更新頑張ってください、応援してます！！ (2021年3月21日 19時) (レス) id: bcf3d49fc1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：辛味噌らぁめん | 作成日時：2021年3月4日 20時
