▼ ページ15
Aside
＿＿そして、放った直後に気付く。
あれ、呪力籠めたっけ…
そう思ってももう遅い。
空斬剣は虚空を裂きながら呪霊へ一直線。
そして＿＿＿＿
呪霊に刺さった。
手応え0なその攻撃に青冷めた。
呪力、籠ってないじゃん…
呪力が籠っていなければ、ただの小刀同様。
そんな小刀が、液体状の呪霊に通用する筈が無い。
『……あぁぁ、何やってんだ私！』
これで手持ちの呪具は0。アドバンテージが無くなった今、近接戦で戦わなければいけなくなってしまった。
呪霊との距離、約3m。
無理ではないが、何ともまあ微妙な距離である。
そう考えると、先程の己の失態を後悔した。
スピードだけを重視した攻撃。呪力さえ籠っていれば、今頃祓い終わって帰路についていただろう。
『…っ、三分前に戻りたい…』
＿＿頭を抱え、強く歯を食い縛りながら勝機を探っていたその時だった。
頭に！が浮かぶ。
『他の物に呪力を籠めて攻撃すれば…
威力は劣るかもだけど祓えない事は無いかも、』
待って、私、天才じゃん、とほんの一瞬だけ思った。
相変わらず目の前に佇む呪霊に目を移し、大きな動きが無い事を確認する。
空斬剣が刺さったその体をドロドロと動かしながら、ゆっくりと此方に這ってくる。
『……気持ち悪い…あ？スライムか？あいつ、』
よく見れば似てなくもない……
＿＿って、そんな事を考えている暇は無い。
呪具の代わりになる物を探さなくては。
辺りに目をやれば、丁度崩れた天井の一部や、ガラスの破片、画鋲等が散らかっていた。
その中からガラスの破片を手に取り、呪力を集中させる。
『＿＿＿＿＿＿』
今度こそ仕留める。
早く寮に帰って寝たいんだから…！
その想いが強くなる程、掛かる呪力も比例するように大きくなる。
そして、呪力を籠めるだけ籠めたその破片を、大きく振りかぶって放った。
『……今度こそ…！』
避けきれ無かった呪霊はその攻撃をもろに食らい、威力に抗うように激しく暴れた。
『＿＿うっ、暴れんなって……』
念の為、立っている場所から二歩程退き、呪霊の終焉を眺めていた。
すると呪霊はピタ、と動きを止め、湯気の様な気体を上げながら蒸発していった。
---------------
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 59人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
辛味噌らぁめん(プロフ) - プスメラウィッチさん» あ、微妙な五条悟オチで一応完結してます!! ありがとうございます! (2021年4月3日 7時) (
レス) id: b998454b66 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年4月3日 1時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
辛味噌らぁめん(プロフ) - ふらっぺさん» わ、ありがとうございます !! 頑張ります ! (2021年3月21日 21時) (レス) id: 8b5fb8a06d (このIDを非表示/違反報告)
ふらっぺ(プロフ) - めっちゃきゅーんってなりました！！更新頑張ってください、応援してます！！ (2021年3月21日 19時) (レス) id: bcf3d49fc1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：辛味噌らぁめん | 作成日時：2021年3月4日 20時
