誰も死なない優しいヤンデレのような話 (ページ2)

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やんでますか？……ちょっと違うみたいです。ページ2

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｢待って主！俺、主と恋仲になんてならなくていい、むしろ恐れ多いし。主は高嶺の花なんだから、そんなに近くにいたら俺心拍数上がり過ぎて死んじゃうから！ただ、主が一番使ってくれる刀が、俺だったら、いいなって、思ってるだけ、だ、から……｣

怒涛の勢いで紡がれた言葉にぽかん、としていると、加州が赤面した後、へたり、と座り込んだ。

加州の言葉をやっと理解した私は加州につられるように顔を真っ赤に染めているだろう。

『あ、えっと……つまるところ、加州は私の熱烈な信者のよう、な……？』

自分で言っていながら赤面した。もし恥ずかしさが形として現れるなら、私から炎が出ていてもおかしくはない。

加州を見ると、私に負けず劣らず顔を赤く染めながら、何度も縦に首を振った。

｢……主のこと、好きなんだ。きっと誰よりずっと。主が俺の事を呼ぶ度、俺舞い上がっちゃいそうなくらい嬉しかったし、俺の事を使ってくれる度、幸せだった。他の奴らが違うとは言わないけど、俺は完全に一線を超えてた……って言うとちょっと違うかな、なんかその度合いが異常だったんだ、俺だけ。それには気づいてたんだけど、これが主たちの言う恋、じゃないなって、なんとなく思ったんだ。どっちかって言うと、長谷部みたいな、主に使ってもらえるのが我が至福！って感じだなって。｣

隣の部屋の襖が、がたっ、と揺れたことは気付かないふりをしておく。

｢それでわかったんだ。主は俺の事、ちゃんと見てくれてて、俺を一番いい使い方で使ってくれてるからだって。俺ら刀剣は元々物だから、上手く使ってくれる人に惹かれるのは当たり前なんだって。｣

加州は私の手を取り、加州らしく笑った。

｢だから、主はそのままでいてね。｣

彼の狂気は、熱烈な信者限定の熱が原因だったようで。

今日もうちの本丸は平和です。