10話目 ページ10
「麻生隊長とか勘弁してよ〜。」
久美子ちゃんの姿が見えなくなるまでお辞儀をしていた二人はげんなりとした顔をする。
「Aと隊長、どういう関係…なんだ?」
「ママの幼馴染み…としか聞いてない。両親が亡くなってからは何でも相談して、助けてくれてたの。」
人の縁って…怖い。何処でどう繋がってるのかわからないな。
しみじみとそんな事を考えて、温くなったコーヒーを飲んだ。
「ま、とりあえずは〜許して貰えた訳だし?」
「とりあえず…な。」
「ほっとしたらお腹減った気がする。」
源は頷いてネクタイを緩め、「飯食いに行くか。」と伸びをした。
「ん、ダメだよ。」
「…体調悪い?」
剛がうなじに唇を合わせてくる時は夜のお誘いの時が多い…。
源はやたらと家事を手伝おうとしてきたりする。
「ちょっと…胸が痛くて。」
生理前で胸が張っていて、ブラを着けるのも苦痛なほど。
こんな時に…キャッキャうふふ…は受け入れられない。
「ん〜、そっか。じゃ、我慢する〜。」
「ごめんね、落ち着くまで待ってね?」
「ごめんとかいらないから。あ、今日の晩飯は何?」
「えっとね…」
源から今夜は遅くなると連絡があったから二人で夕食を作り、先に食べて帰りを待っていた。
「ったく、余計な仕事を回してきやがって…。」
「お帰りなさい。何か嫌な事「ただいま。Aの顔を見たら忘れた。」」
私を抱き締め、深呼吸を3回してから「よし!」と笑う。
「…っ!」
「どっ、どうした!?」
源の肘が胸に当たり、思わず撫で擦るとオロオロとした声を出した。
「あ、何でも無いよ。少し胸が痛いだけ。」
「何処か悪「源ちゃん、いい加減覚えなよ〜。毎月のアレ…の前なんだよね?」」
「毎月の…アレ…。っ、そ、そうか、無理はするなよ?」
剛はあっけらかんとそんな話をしちゃうけど、源はいつも気まずそうな表情を浮かべる。
…対称的なんだよね、この二人は。
そんな事を考えながら「ありがとう。」と笑いかけた。
「しかし今月はすごい張って…え、何…これ?」
お風呂に入ろうと下着を取ったら、胸の先端が何となく黒くなったように見える。
「日焼け…する場所じゃないし…?肌のターンオーバーか何かかな?」
首を傾げ、撫でてみるとチクッとした痛みが…。
「え、痛い…?あー、もう早く生理来ないかな。今月は張り過ぎだよ。」
重怠くなってきた腰を叩き、ため息をついてお風呂に入った。
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作者名:fugurifurifuri0 | 作成日時:2020年12月25日 15時