4話目 ページ4
「面白い部屋〜！パンフレットと実物は違うね！」
私は壁をコンコンとして二人を振り返る。
全室が孤立したドーム型の建物になっていて、沢山並んでいる姿は異空間に迷い混んだみたいで圧巻。
中に入ると小さな空間にロフトが付いている造りで、1階はソファにテレビがあるリビング、ロフトがベッドルームになっていた。
「風呂は大浴場しかないのが難点か？」
「まぁ良いじゃん、この造りなら何しても周りに気を使わなくて良さそうだし。」
「何しても…って。剛、鬼ごっこでもするつもり？」
「…何しても…か。」
源はソファに腰を下ろし、鼻で笑う。
私は首を傾げて持ってきた荷物の整理を始めた。
「腹減った〜。源ちゃん、飯まだ？」
「飯、飯ってガキか？」
敷地内にある温泉で汗を流し、後はお楽しみの夕食！
剛は何度もお腹減ったを繰り返して、その度に源が突っ込みを入れている。
〜♪
源のスマホが鳴り、「飯の時間だ。」と笑った。
部屋の裏にある小さなウッドデッキに用意された…豪華なバーベキューセット。
その横に小さなビールサーバーも設置されていて、剛は小躍りをする。
「生ビール！すっげぇ！焼こ、早く焼こう！」
「剛って、本当に刑事なの？」
「俺もたまに間違いなんじゃと思う…。」
お肉のパックを開けながら、源と微笑み合った。
「熱！熱いけど美味い！」
「そんなに慌てなくても「ほっとけ。止めてもこいつは食う。」」
「A、食べてる？」
「食べてるよ〜。って、この海老美味しい！」
「ならもっと食え。」
「あ、俺も「お前は自分で取れ。」」
「何でだよ！ケチ！」
「もう、ケンカしないの〜。」
二人のグラスに生ビールを注ぎ、頭を撫でて手渡す。
「こいつがうるさいのが悪い。」
「源が優しくないのが悪い。」
「何で俺がお前に優しくしなくちゃなんねぇんだよ！」
子供みたいに言い争う二人を横目に、海老をパクリと頬張った。
「これは何？」
「何ってまだ飲むだろ？」
「…飲むけど…修学旅行みたいだね。」
サーバーの生ビールを追加で注文して部屋の中に移動し、大量のスナック菓子がテーブルに並ぶ。
「俺が食いたかったの！こんな時じゃないとスナック菓子って思い切り食べないじゃん？」
「スナック菓子って思い切り食べるものなのかな？」
とか言いつつ、目の前のポテトスナックを開ける。
ふと源を見ると何故だかソワソワと落ち着かない様子。
目が合うと微笑み、グラスビールを一気に飲み干した。
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作者名：fugurifurifuri0 | 作成日時：2020年12月25日 15時
