星野源の奥さん…みたいです。 (ページ10)

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「あ、すげぇ可愛い！良いよね、このドレスから太もものラインが。」

「自分じゃないみたいで恥ずかしいよ。」

「自分じゃないから好きな事が出来んじゃん。今からAは迷子のお姫様。わかった？」

「わ、わかった。でも何すれば「俺がリードする。心配すんな。」」

また手を引かれ、スタジオに戻る。

「源さんとAさん入りま～す。」

「よろしくお願いしま～す。」

「お、お願いします…。」

グリーンの上に二人で立ち、源は「音楽に合わせて、俺のダンスを真似して。」と指示を出してきた。

「俺の真正面に立って…そう。この世界の事は何も知らない。でもウサギのダンスを真似してると楽しくなってくる…そんな設定だから上手く踊れなくても大丈夫！」

私が頷くと微笑み、合図を出すと音楽が流れ始める。

源は私に向かって驚いた顔をした次の瞬間、ステップを踏んで踊り出した。

…お、踊れば良いんだよね！？

単純な振りに単純なステップ。

真似してるうちに簡単に踊れるようになり、源は歌を口ずさんで楽しそうに笑う。

その笑顔は当たり前だけど大好きな星野源さんそのもので…見ているこっちも楽しい。

ピタッと踊るのを止めたと思ったら私を突然抱え上げてグリーンの外へと走った。

「はい、ＯＫでーす。お疲れ様でした。」

「A、上手いじゃん。上出来！」

「あ、あんなので大丈夫？」

「ぎこちなさが欲しかったから満点～。」

「…あの、降ろして？」

抱えられた状態のまま源は歩き続けていて、周りの視線が気になる。

「や～だよ。」

「周りの人が「見慣れてるから誰も気にしない。」」

スタジオの端にある椅子に私を降ろし、さっきの映像の確認を始める源。

確かに…誰も気にしてない？驚いた素振りもないし、源って私とそんなにイチャイチャしてたんだ？

スタッフさんとモニターを指差して話す横顔を唖然とした気持ちで見つめた。

その後はグリーンの上で追いかけっこしたり、ブランコに乗らされたり、テーブルでお茶をしたり…というシーンを細切れに撮影していく。

「後は俺のカットが続いて…最後にワンカット撮って終わり。疲れた？」

「緊張し過ぎてて疲れたって感覚も無いよ。」

途中で出された美味しそうなケータリングも食欲が湧かない程の緊張…。何なら軽く胃が痛いかも？

小さくため息をつく私を抱き締め、「A～。」と頭を撫でてくる。

「何…？」

「大丈夫、落ち着け。」

今更？と思いながら腕の中で微笑んだ。