星野源の奥さん…みたいです。 (ページ12)

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「A、ちょっと大事な話があるんだけど。」

撮影から数日が経ち、今日はオフの源が昼食を食べながら難しい顔をする。

「大事な…話？ご飯食べ終わってからでも大丈夫？」

「うん。別に急がない。」

急がない…って言ったくせに何だかソワソワして落ち着かず、後片付けをする私から離れようとしない。

「ごめん、もうちょっと待っ「俺の事は気にしないでいいから。」」

「…気になるよ、子供みたいに離れないんだもん。」

笑いかけると後頭部を撫でて照れ臭そうにする。

「お待たせ、終わったよ。」

「お疲れ様、こっち来て。」

手を引いて私をソファに座らせ、自分はラグの上に正座で座った。

…え、そんなに重大な事？

私もラグに座ろうとすると「Aはここ。」とソファに座らされる。

「な、何、そんなに改まられたら緊張するよ。」

「…俺にとっては死活問題かもしれない。」

「何かあったの？まさか病気だとか「頼む！一生のお願い！」」

ガバッと頭を下げ、お願い！なんて言われたからびっくり！

「ちょ、何？お願いって何を？」

「…Aを。」

「わ、私を？」

「抱き締めたい、キスしたい、それと…。」

「それ…と？」

「…抱きたい。」

「だっ、抱きたいって、抱き締めたいとは別の！？」

「ふ、夫婦の営みを…。」

「営みっ！？」

驚きのあまり、私もソファに正座で座り直す。

「A不足で死にそう。傍に居ても足りない。目の前に美味そうな飯があるのに食えないのは辛い…。」

しょんぼりと肩を落とし、上目遣いで見つめてくる源。

その姿があまりに可愛くて、思わず「良いよ。」って返事をしてしまいそうになる。

「私…私…え…どうすれば良いの？」

「一気に全部はハードルが高いだろうから…少しずつ…。」

「少し…ずつ…。」

やっと源との生活に慣れてきた所で…更にそんな事までと軽いパニック状態。

夫婦なんだから当たり前の事なんだろうけど…。

「俺とすんのやだ？」

「ん、ん～、やだってよりも恥ずかしい気持ちが…強くて。」

「恥ずかしい…か。そうだよな、恥ずかしいよな。」

隣に座ってきた源は頷き、そっと肩を抱き寄せてきた。

「…慣れて？」

「ど、努力はして…みる。」

「じゃあ手始めに…はいっ！」

両手を広げて満面の笑み。

「…はい？」

「飛び込んでこい！」

「え、無「早く、ほら！」」

声に即され、気合いを入れて胸に飛び込む。

「うぉっ！」

源はよろけそうになりながら私を強く抱き締めた。