甘い…生活？ (ページ2)

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2話目ページ2

「たぁだぁいまぁ～。A、寂しくなかっ「お、お風呂沸いてるから入って。」」

いつも後ろから私に抱きついてくる腕を阻止して、バスルームを指差す。

「…え？臭い？」

眉を下げてクンクンと自分の匂いを嗅ぐしぐさはまるで子犬みたい。

「臭くない…けど。」

「じゃあハグさせて。じゃないと帰ってきた気がしない～。」

ん！と両手を広げて待つ笑顔に負け、ふわりと細い筋肉質な腕に包み込まれる。

「ただいま！」

「ん、お帰り。」

「今日のご飯は何？もうお腹と背中がくっつきそ！」

そう言ってお腹を撫でてバスルームに入っていった。

朝に…あの大人の本を見てから…私は変だ。

よく考えたらルームシェアは男性を望んでた。剛は元々一緒に住む予定はなかった。二人ともいい年した大人で、女の人の一人や二人連れ込んでも、ううん、付き合ってる人が居てもおかしくはない。

私が来たから…我慢させてる？って思ったら…変に意識してしまって。

「引っ越し先…見付けないとな。」

バスルームから時々聞こえてくる鼻歌を暗い気持ちで聞いていた。

「あー、疲れた。ただいま…と？Aは？」

「あ、お帰り。」

源はうん、と頷いたと思ったら早足で私に近付いてきて、おもむろに額と額をくっ付けて怖い顔をする。いつもなら剛と同じくハグなんだけど？

「なっ、何？」

「…熱はねぇな。」

「どうし「何かあったのか？いつもと顔が違う。」」

食い入るような目でじっと見つめられ、堪らず慌てて「ご飯食べる？」と源から離れた。

「飯は後だ。何かあったんなら言え。」

「なっ、無いよ。何にも無いよ！ただ家事を頑張りすぎたかなぁって。」

「嘘つく「源ちゃん、Aが困ってるじゃん。本人がないって言ってんだから。」」

剛は冷蔵庫から缶ビールを出して源に投げ渡し、ヘラッと笑う。

「…悪い、つい気になって。」

「ううん、心配させてごめん。」

私をギュッと抱き締め、頭を撫でて微笑んだ。

…すごい…洞察力？普段通りにしてた…つもりだったのに。

夕食をテーブルに並べ、ソファで剛と戯れている背中を見ながら胸に手を当てた。

「でも…確かに今日のAは元気ないね？」

「あ！お前はもう食ったんだろ！？」

ヒョイと源のお皿から唐揚げを一つ摘まみ口に放り込んだ。

「おい、聞いてんのか！」

怒る源を無視し、キッチンに立つ私の肩を揉んでくる。

「今夜は…一緒に寝よ？」

するりと腕をお腹に回して「ね？」と顔を擦り付けてきた。