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徐に伸ばされた手から逃げるようにローが身を引く。
クラゲはそれに気づかないのかローの頬、白い痣に触れた。
［雪？寒くない？］
外に晒された白い痣にペタペタと触れたクラゲは不思議そうに首を傾げそう雪の上に書いた。
「雪じゃねえ。コレは…白鉛病だ」
［はくえんびょう？病？］
「そうだ」
白鉛病を知らないのかクラゲは自分の書いた文字を見つめ僅かに口を尖らせた。
［はくえんびょうはどう書くの？］
僅かに肩を跳ねさせたローをそっとコートの内に押し込む。ローを隠すように腕を伸ばしコラソンが雪の上にその病を書き示す。
［白鉛は、鉛？］
「…鉱物だ。まさか、本当に白鉛病を知らないのか？」
こくりと一つ頷いてクラゲは尖らせた唇を撫でる。薄く色づいた唇をなぞる指先は唇より赤く染まっていた。
［推察で話したら］
そこまで書きつけて手を止めたクラゲはコートの奥のローを窺うように視線をあげた。
不躾な医者たちよりよっぽど思慮深い。
「体内に吸収した微量の白鉛が臓器に沈着していく。この痣も皮膚の細胞に沈着した白鉛だ。
…白鉛病は感染しないんだ」
ローの悲痛な叫びを聴いて、何を思ったか。
クラゲは真っ赤に染まった指先を雪につけたままぐっと眉を寄せた。
［鉛中毒に近いものかな 鉱物由来の病が感染などするはずがない そんなことを言ったのはどこの馬鹿だ］
文字を書いては消してを繰り返した地面は雪が薄くなり硬い土が顔を出す。
指先で書くには堅すぎる地面は爪を削り皮膚を破き、赤く染まっていた指先にねっとりとした濃い色を纏わせる。
痛みはあるだろうがクラゲの手は止まらない。
［どうせ世界政府が言い出したんだろうけど
利益しか頭にない ふざけた奴ら
都合の悪いことには蓋をして ツケを食らうのは何も知らされない一般人だ］
散々書き散らかしてもまだ言い足りないらしい。
血色の薄い唇を噛み締め、血だらけの指で何度も地面を叩く。
「もう、やめろよ…わかったから…」
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トト(プロフ) - 早桃さん» ああ、そんな、恐れ多いです！ありがとうございます！のんびり楽しんでいってくださると嬉しいです。頑張ります！ (2023年3月17日 17時) (
レス) id: 2fbe74351e (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - え､､､？めちゃくちゃ最高な作品じゃないですか？？ありがとうございます！もう面白すぎて一気に読んじゃいました！これからも無理せず更新頑張って下さい！応援してます！ (2023年3月16日 22時) (レス) @page14 id: 363e501944 (このIDを非表示/違反報告)
トト(プロフ) - 名無しの権兵衛さん» うわー！いつもありがとうございます！いつものごとく見切り発車ですが頑張ります！ (2023年2月19日 9時) (レス) id: 2fbe74351e (このIDを非表示/違反報告)
名無しの権兵衛 - やったーーーーー！！！！続編だーーー！！更新頑張ってください！楽しみにしてます！！ (2023年2月19日 6時) (レス) @page2 id: 415bc119d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トト | 作成日時：2023年2月18日 19時
