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七色に反射するグラスを手で弄りながら、Aは目の前の男をジトッと見つてめた。
無事にドアが開いて、タイミングよく運ばれてきたスープに舌鼓を打つ白馬は、Aの視線に気づいた。困ったように笑いながらスプーンを置き、グラスをとって喉を潤して口を開く。

「さて、貴女の機嫌をこれ以上損ねる前に、種明かしといきましょうか」

事件現場で関係者たちに真相を話す時のように、手を顔の下で組んで話し始めた。

「貴女は、東都タワーのライトアップがタイミングよく変わったということは、僕が予め一連のことを仕組んだ、と考えてるんでしょう。けど、それは」

白馬は顔の前で、指でバツ印を作った。

「違います。僕にとっても全くの不測の事態でしたよ。東都タワーは、実は土曜日の午後8時からライトアップがレインボーになるんです」

僕だってもっとロマンチックにプロポーズしたかったですよ。まったく、プランが全部台無しだ。
冗談めかして白馬はそう零した。

「それと、こうも考えているでしょう。ただ求婚しただけで何の贅沢でもない。」

着々と自分の思考が読まれていることに、Aは薄ら寒さを覚える。
きっと、事件を解決されていく犯人はこんな気持ちなんだろうか。

「それも間違いです。僕は、自分の一生と引き換えに貴女の将来という唯一無二のものを貰い受けた。これ以上ない“贅沢”な買い物ですよ。ああ、買い物、とは少し違いますかね」

「……スゴい。さすがだね探。」

純粋に感嘆の声をあげた。

「初めてあった時から、なんでもスマートに解決していくスタイルは変わってないんだ……」

「お褒めに預かり光栄です」

互いに見つめあって、一頻り気恥ずかしそうに笑い合った後、Aは手付かずだったパンに手を伸ばした。
半分にちぎって上品に食べる。普段ならかぶりつくところだけど、TPOだ。
柔らかな食感を期待してパンを噛むと、フワフワとは程遠い、ガチッという音がした。
慌てて口から出してみると、それは

「ロケット?」

ハート型のソレは、二人のイニシャルが彫られた上品なデザインで、100円玉程のサイズだった。

「ええ、先刻“プランがあった”と言ったでしょう?」

確かに、出られない部屋に閉じ込められるよりは数百倍ロマンチックだし探らしいな、とAは頰を綻ばせた。
ロケットを開くと、そこには初めてあったSohoの風景があった。

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(プロフ) - 全部面白い!続き読んで見たいです!皆さん、頑張って下さい! (2018年9月24日 20時) (レス) id: 4b63d11e04 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 正直、どストライクです…!時間ごとにそれぞれの贅沢が詰め込まれていて、読んだことのない作品の主人公にもとても惹かれるものがありました。また時間を見つけて全ての作品を読ませていただきます。この上なく贅沢な時間をありがとうございました。 (2018年9月24日 17時) (レス) id: 4ee63399c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SNYZ | 作者ホームページ:https://twitter.com/nnn_zcn  
作成日時:2018年9月24日 16時

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