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とりあえず、登校拒否の件は弁解することにした。
誤解されたまま物事が進んでいくのも、気分はよくないだろう。



「行きたくてもいけない」

「なんだそれ」

「いや、別に行きたいとも思ってないか」

「もっと不明だな」



不明である人間から不明なんぞ言われたところで



『そうです。私は不明な人間です』



なんて共感するほど、私の頭はおめでたくはない。

かといって、どうせこんな人に実際のことを話しても、興味なさそうな顔して聞き流されるだけであろう。

痛いほど知っている。現実なんてそんなものなのだ。

初めて会った人間に、自身は心臓病を患っていると話せば、大抵馬鹿げた言葉が返ってくる。
特に、『大丈夫』なんて口にする奴のほとんどは、なんの根拠もなしに、ペラペラと分かったようなことを語り出す。偉そうに、あなたの1人語りなど興味がない。

その度苦痛を感じた。

だから次第に私は、自身の病について隠すようになった。それは必然的に、というか本能がそうしたのかもしれない。

でも何故だろう。目の前にいる彼がどんな反応を示すのか、らしくもなく気になった。だからなのか口が勝手に動く。



「私、病気でもうすぐ死ぬの。でも怖いとかそういうのはない。自分が消えても消えなくても同じなんじゃないかって」



チラリと隣を見る。

彼を試しているようで自分でも気味が悪いと思った。余計なことまで話してしまったし……やっぱり、慣れないことはするものじゃないな。

なんだか急に今の自分を情けなく感じて、鼻で笑ってしまう。



「お前は生きてるよ」



不意に聞こえてきた言葉にハッとした。

頭の中でリピートされる彼の言葉。

お前は生きている……一体どういう意味なのだろう。

的外れな返答に戸惑った。

初めてだったのだ。同情の目を向けられなかったのも……哀れだと、可哀想だと、他人事のよう囁かれた言葉が聞こえなかったことも。

無性に彼が言ったその言葉の意味が知りたくなった。その一方、自分でその言葉の意味を見つけたくなった。

どうあれ、真相を知るのはまだ早すぎる。



「ねぇ、君の名前何て言うの」

「黒羽快斗」

「いい響きだね」

「お前は?」

「月城A」

「似合わない」

「知ってる」



馬鹿みたいな会話が居心地が良かった。
私はその時、初めて他人に興味を持った。
彼のことを知りたいと思った。

夕焼けに照らされる彼の横顔。
無意識に口角が上がったのを自分でも感じた。

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(プロフ) - 全部面白い!続き読んで見たいです!皆さん、頑張って下さい! (2018年9月24日 20時) (レス) id: 4b63d11e04 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 正直、どストライクです…!時間ごとにそれぞれの贅沢が詰め込まれていて、読んだことのない作品の主人公にもとても惹かれるものがありました。また時間を見つけて全ての作品を読ませていただきます。この上なく贅沢な時間をありがとうございました。 (2018年9月24日 17時) (レス) id: 4ee63399c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SNYZ | 作者ホームページ:https://twitter.com/nnn_zcn  
作成日時:2018年9月24日 16時

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