◯44話〈シルヴィア〉 ページ44
数分後
半強制的に異世界へ飛ばされた僕はこの世界について何か知ってそうな人を探していた。
「んー?」
どうやら周りを横目で見る限り、ここにいるみんなもいきなり飛ばされて、困惑しているようだった。
「ふぅん。こいつらもいきなり飛ばされたんだな…」
ちょくちょく知ってる顔の奴もいるがあえて話しかけるのはやめた。
単純に話しかけるような気分じゃなかったからだ。
外を見るとものすごく大きい建物がたくさんあった。
どれぐらい大きいのかって言ったら巨大龍と同じくらいなんじゃないかってくらいだ。
この世界、どの施設もでかすぎる。
「すげー…」
思わず関心しちゃう僕。
「異世界ってすげー…」
なに言ってんだ、僕は。
「シル、貴方も連れて来られちゃったんですか?」
突然、聞き覚えのある声がした。
「あぁ、スオもか!」
幼馴染のスオの声だ。
どうやらスオも意味のわからない手紙に導かれ(?)この世界に来てしまったようだ。
「シルがいてよかったです。」
スオはいつもと変わらない優しく落ち着いた笑みを浮かべながら言った。
この状況で落ち着いていられるなんてすごいよな、スオは。
しかし、本当は心の中では不安や困惑な気持ちでいっぱいのはずだ。
スオはいつも僕を気遣ってくれるけど、本当はスオだって無理してること知ってるんだ。
「僕もスオがいてよかったぜ!!」
とりあえず大好きな幼馴染に会えたのは嬉しい。ひとまず安心だ。
そうこうしているうちに、一人の男性がやってきた。
どうやらこの男、この学園の管理人だという。
すると管理人と思わしき男性は僕たちに話をし始めた。
話をまとめるとこうだ。
まず、異世界から来た僕たちはこの花見川学園で一年間過ごす。
この花見川学園で過ごしている間は元の世界に帰ることはできないらしい。
そういや、手紙に書いてたな。
そして、この世界にいる間は能力を使ってはいけない。
こいつ、なんで僕たちが能力を持っていると知っている?
あやしい。何故能力を使ってはいけないのか。
あやしい。何故よりによって僕たちが選ばれたのか。
あやしい。そもそも誰がなんのために?
あやしい。えぇと…
さらに話を続ける管理人。
ふぅん。この世界だと、僕の銀の髪の毛はおかしんだな。
言われてみりゃあ周りを見るとみんな黒や茶色といった髪をした奴らばっかりだ。
ん?おい。あのばあちゃんの髪、僕と同じ銀色だぞ!?
あのばあちゃんの髪がおかしくなくて僕の髪色がおかしいってどうなってんだ、この世界は!!
でもなんか楽しくなってきたから、とりあえず言う通りにしておこう。
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紅葉@学生人(プロフ) - 更新終わりました! (2019年9月22日 16時) (レス) id: f9fa943488 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉@学生人(プロフ) - 更新します! (2019年9月22日 15時) (レス) id: f9fa943488 (このIDを非表示/違反報告)
柄餅(プロフ) - 更新しました! (2019年9月7日 19時) (レス) id: 89bccbc21d (このIDを非表示/違反報告)
柄餅(プロフ) - 更新します (2019年9月7日 18時) (レス) id: 89bccbc21d (このIDを非表示/違反報告)
むむー(プロフ) - 更新しました!! (2019年9月7日 17時) (レス) id: 530d6c09d3 (このIDを非表示/違反報告)
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