HP開設！ヴァンパイアたちのお姫様!～second～ (ページ36)

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８５話ページ36

あ「あなたは本当にみんなを傷つけたいと思っているの？」

私の言葉にメリアは驚く。

メ「・・・何が言いたい。」

その眼には少しばかり怒りが込められていた。

だけど、私はひるむことなくまっすぐとメリアを見つめる。

あ「あなたは言ったわね・・紫藤家の兄弟の苦痛があなたの喜びだと。それはなぜ？」

メ「・・・言葉の意味が分からんな。」

メリアは私が何を言っているかわからない。

そんな感じだった。

だから私は畳み掛けるように言葉をつづる。

あ「それは、何かが気に障るからよね？」

私は言葉を続ける。

あ「だけど、それが憎しみからくるものとは限らない。」

その言葉にメリアが目を見開く。

心当たりがあるように見えた。

あ「・・・これはあくまで私の勝手な想像だけど・・・」

入ってきたとき思ったこのお城はとっても広い。

だけど、全然にぎやかさがない。

とても静かで・・そう。

まるで・・・

あ「さびしかったんじゃないの・・・？」

私の言葉にメリアの瞳はおどろ息を隠せなかった。

表情はあまり変わらない。それでも、大きく見開かれた瞳はうそをつけないようだった。

メ「・・・・不思議な女だ・・・・。」

そう言ってメリアは私をやさしく見つめてくる。

いきなり変わった優しさを帯びた瞳に私はドキッとする。

メ「・・・誰も・・気づくことはなかった。」

あ「えっ・・・」

メ「私の心のうちにある孤独・・それは誰も気づくことはなかった。」

その言葉はどれだけ私の心を強く締め付けただろう。

彼の・・メリアの心の傷が深いことを私に感じさせた。

メ「・・・・・・一つ提案しよう。」

そう言ってメリアは私の手をつかんでいる力を弱めた。

メ「私はうそをつく気はない。そう。いつも誰かとともにいる紫藤家の兄弟がうらやましく、同時に妬ましくもあった。そして・・・・

忘れられるのが恐ろしかった。」

その言葉で私は察した。

忘れられないようなことをして自分という存在をメリアは兄弟たちに植え付けていたのだと。

そんな彼がどこか私に似ているように感じた。

だからこそ私はメリアが放っておけなかったのだった。