HP開設！ヴァンパイアたちのお姫様!～second～ (ページ35)

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８４話ページ35

今のみんなにとって何が一番苦痛か・・・

一人ひとりではなく、全体としてという意味に取れるこの言葉・・

私には何かはわからなかった。

それに、そんなことを考えることなんてなかった。

メ「わからない・・そういう顔をしているな・・。」

メリアはフッと笑うと、私の頬に自分の手のひらを添えた。

メ「お前という存在を失うこと。」

その言葉に私は言葉を失った。

あ(私・・？ど、どういうこと・・？)

驚く私をよそに、メリアは言葉を続けた。

メ「最初は他人であったお前の存在がどんどん大きくなってきているというわけだ。」

そういってメリアは水晶を床に置き、私の両手をつかんだ。

あ「いっ！」

それも、とても強く。

そして、そのまま私を床へと押し倒す。

私は勢いよく押し倒されたため、背中を強く打ってしまった。

あ(いたたたた・・・)

痛くて意識は背中に集中していた。

そんな私の目と鼻の先にメリアの顔があることに遅れて気づいた。

あ「なっ・・！何を・・！」

ことの状況に気づいた私は顔を赤らめる。

あ(い・・今にも口付けされそうな距離・・！！)

豊かな想像力が今まであった緊張感を別の緊張感へとかえる。

あ(で、でも・・！そんな・・そんな展開じゃないものね！)

頭の中で違うことを創造しようとする。

だけど、少し私にかかるメリアの吐息が、私の想像をどんどん本来言ってはいけないほうへと誘(いざな)う。

そんな私に冷静さを取り戻させてくれたのはメリアの言葉だった。

メ「いっそう・・このままお前をこの城のどこかに閉じ込めるか・・・。」

私の妄想タイムは終わる。

そして、先ほどうった背中がどんどん痛くなっていく。

メ「それとも・・幻術ではなく、本当にお前を操り戦わせるか・・。」

メリアの思考はどんどん攻撃的なものへと変わる。

メ「人間に対し・・絶望させるのも悪くない・・。所詮人間とヴァンパイアなど共存できるはずがないという事を思い知らせてやるか！」

何が楽しいのか。そう思いながら高笑いするメリアを私はじっと見つめた。

そして、ゆっくりと口を開いたのだった。

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