HP開設！ヴァンパイアたちのお姫様!～second～ (ページ17)

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６６話ページ17

アレ「・・母さん・・」

私はバラの咲き乱れる中で、一番暗い場所に来た

そこはキサラ君が夢の中で隠れていた場所だったからだ

思った通り・・「アレン君」はそこにいた

あ「アレン君・・」

私が呼びかけると、アレン君はびっくりして、こっちを向いていた

あ「ううん・・こう呼んだほうがいいのかな・・キサラ君・・」

私がそう呼んだ瞬間、アレン君の顔色が変わった

そして、すぐに無理に作っている笑顔になった

アレ「・・いや、僕はアレンだよ・・キサラじゃない・・」

私は引くことなく言葉を並べた

あ「いいえ、あなたはキサラよ!何一つ変わらず・・わがままな子供のよう・・その姿はキサラという存在と何一つ変わらない・・」

アレン君は驚いた顔で私を見ていた

あ「別にいいじゃない・・アレンでも・・キサラでも・・あなたはあなた・・ほかの誰もあなたにはなれないし・・あなたはほかの誰かになんてなれないの・・あなたはあなたで・・名前なんか関係ないわ・・それが・・とても素敵なのだから・・」

私がそう言うと、アレン君は私に近寄ってきた

アレ「・・だったら・・君は僕を愛してくれる・・?」

私はアレン君に抱きしめられた

あ「えっ・・?」

アレン君の体は震えていた

そして、今にも消えそうな声で私に話しかけた

アレ「僕は君が好きだ・・誰よりも・・キサラでも・・アレンでも・・この気持ちは変わらない・・でも・・キサラだと自信がないんだ・・。だって・・君はキサラを知らない・・それでも・・君は僕を愛してくれる?」

あ「・・・私は・・」

言葉が出てこない・・

アレン君・・その存在は私の記憶に残っている

しかし、キサラという存在はまるで記憶に残っていない

まるで、あかの他人のようだ

そんな人を愛せと言われても・・

私の気持ちは正直、答えに戸惑っていたのだった

アレ「君が愛してくれるというなら・・僕はアレンでも・・キサラでもなんでもいい・・お願いだよ・・僕は・・誰からも愛されないのはもう・・!!嫌なんだっ!!」

私はどうすればわからない気持ちのまま、抱きしめられていた

私の中には同情しかなかった

私もこの気持ちを知っていた

おばあちゃんに会うまでの・・私と同じだった・・

きっと・・このままだったらこの人は壊れてしまう・・

そう思うと・・その背を抱きしめようと体が動いていた

そんな時だった

ア「甘えてんじゃねぇよ・・・!」

アレク君の声が聞こえてきたのだった