ねぇ、そばに居させて？【地縛少年花子くん】 (ページ6)

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よーん。【トイレの花子さん】ページ6

花子くんは、ハウツー本をある程度読んだのか閉じて寧々ちゃんの方に向き直る。
　どうやら、特技を使ってアピールする方法を選んだらしく、寧々ちゃんに特技を聞き出す。やり方としてはとってもいい方法だとは思うのだけど、でも確か、寧々ちゃんの特技って、可愛いのに少し方向性が違ったような……

　しかし、着いてきてと言わんばかりに寧々ちゃんはとある方向へと歩きはじめた。

「畑！」

「我が学園の実習園よ！農業高校では無いから小さいけどね」

　自信満々に桑を持てば耕されていないところに一振。寧々ちゃんの特技は土いじりだ。それもあってか、園芸部にも所属している。
　……まぁ、花子くんはそんな特技をどう活かすのさと言わんばかりに引いた顔をしているのだが。

「何その顔！
お花育てたりするのよ！女の子らしいのよ！？」

「お野菜も育ててるよネ」

「うっ……そうだけど可愛いのだってあるのよ！？
……でもやっぱり、こんなの可愛くないのかな
園芸はね、昔好きだった人が｢女の子らしい子が好き｣って言うから始めたの。
他にもお料理とお裁縫と……
全部上手に出来たら告白しようって思って」

　可愛くないわけが無い。少し惚れっぽくても、突っ走りすぎちゃっても、何かを一途に頑張るってのは凄いことだ。それがちょっと方向が間違っていたとしても。好きな人のために頑張れるのはそれだけ好きって言う証拠、その気持ちは可愛いのに違いないのだから。

「いつから好きなの？」

「中等部入りたての頃から
告白したのは一ヶ月前。3年もかかっちゃったの」

　告白をしたが、成功はしなかった。むしろ、大根足だからタイプじゃないとまで言われる始末だった。

「……寧々ちゃん、寧々ちゃんはすっごく可愛いよ、その人のために頑張るのって素敵だよ。
でもね？好きなら私はここだよ！って沢山アピールしなきゃ。
相手のことを知って、自分のことを知ってもらって、それで尚もっと知りたい傍に居たいって思えて、好きは恋に繋がるんだよ。ね？花子くん」

「ミツリ、最初は俺のこと殺すつもりだったヨね」

　……今も尚、傍に居れないならば殺してしまおうか、と思う時はある。どうせいつか消えてしまうのなら、私の知らない所で消えないで、私の手で消えてくれれば良いのにって。……あぁ、でもこの気持ちはもうちょっとだけ蓋をしておこうかなって。

　え？殺すつもりだったってなにか聞きたい？
それもまた、今度のお話で。